[PR]

「マトリックス」制作会社が破産申請!ワーナーとの訴訟、負債増で経営悪化


映画製作・配給を手がけるVillage Roadshow Entertainmentが、財務悪化や訴訟費用の増大により、デラウェア州の裁判所に米連邦破産法第11章(チャプター11)を申請したとdeadlineが報じている。同社は独立系の映画プロデューサー兼資金提供者として知られるが、近年は負債の増加により経営が圧迫されていた。

ロイターによると、Village Roadshowの弁護士は裁判で「全ての入札に応じる」方針を示した。主な資産である映画ライブラリーは年間約5,000万ドルの収益を生み出しており、現在はContent Partnersによる3億6,500万ドルの入札(ストーキングホース入札)が提示されている。

また、弁護士のジャスティン・バーンブロック氏は、長年の提携先でありながら現在は対立関係にあるワーナー・ブラザースも、映画の権利を巡る入札に参加する可能性があると述べた。Village Roadshowが手がけた代表作である『マトリックス』や『オーシャンズ』シリーズは、いずれもワーナーと共同制作された作品である。

両社は2022年から法的紛争を抱えており、Village Roadshowはワーナーが『マトリックス レザレクションズ』を劇場公開と同時にストリーミング配信したこと、および共同所有する映画ライブラリー資産に基づく派生作品の共同出資権を巡り訴訟を起こしていた。この法的闘争による弁護士費用は1,800万ドルに達し、同社の事業を大きく圧迫する要因となった。また、自社スタジオのプロジェクトへの投資も十分な利益を生まなかったことが経営悪化に拍車をかけた。

Village Roadshowとその関連子会社約30社は、総額1億6,300万ドルのシニア債務を抱えた状態で破産手続きを進めている。裁判所に提出された書類には、300社以上の債権者リストが含まれており、その中にはワーナー・ブラザース、ディズニー、ソニー・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ、Netflixといった大手映画スタジオのほか、独立系のMagnolia Pictures、New Regency、アダム・サンドラーのHappy Madison TVなどが名を連ねる。さらに、映画業界団体であるMPA、DGA、WGA、SAG-AFTRA、保険会社、AT&T、Dropbox、FedEx、そして今年1月に退任した元CEOのスティーブ・モスコ氏も含まれている。

また、昨年末にはWGA(全米脚本家組合)西部支部が、Village Roadshowに対し、映画・テレビプロジェクトに従事する脚本家への支払い遅延を理由に作業停止命令を出していた。同社の破産申請書には、「未払い契約による重大な負債」があると記載されており、脚本家やコンサルタントへの支払い義務も問題視されている。

マトリックス (字幕版)

マトリックス (字幕版)

キアヌ・リーブス, ローレンス・フィッシュバーン, キャリー=アン・モス, ヒューゴ・ウィービング, グロリア・フォスター
Amazonの情報を掲載しています