韓国の大手エンターテインメント企業CJ ENMは2025年3月24日、米アカデミー映画博物館(Academy Museum of Motion Pictures)と3年間にわたるパートナーシップ契約を締結したことを発表した。
本パートナーシップは、韓国映画のみならず、優れたアジア映画をハリウッドの主流に広めることを目的としている。CJ ENMは、今後3年間にわたり、アカデミー映画博物館のアジアの映画制作者を対象とした各種プログラムを支援し、世界に向けた発信を後押しする。
アカデミー映画博物館は、映画制作の芸術、科学、アーティストに特化した世界最大の博物館であり、ロサンゼルスに位置する。
今回の提携を受け、アカデミー映画博物館の館長兼社長であるエイミー・ホンマ氏と最高収益責任者(CRO)のジェニー・ガランテ氏が、3月17日に韓国を訪問した。これはアカデミー映画博物館の幹部が公式訪問として韓国を訪れた初の機会である。両氏は、CJ ENMが誇る最先端の施設である坡州(パジュ)のCJ ENMスタジオセンター内のバーチャルプロダクション(VP)ステージや、CGV龍山(ヨンサン)I-Park Mallに設置された四面スクリーン「SCREENX」劇場を視察。また、韓国の著名な映画制作者と面会し、韓国映画業界との協力関係強化について意見を交わした。
本パートナーシップの第一弾として、CJ ENMは3月23日(米国時間)に開幕した監督ポン・ジュノ氏の展覧会「Director’s Inspiration: Bong Joon Ho」を支援。同展覧会は、アカデミー映画博物館が手がける初のポン・ジュノ監督に特化した展示であり、彼の創作プロセスや映画的インスピレーションに焦点を当てる。100点以上のオリジナル資料が展示され、絵コンテ、リサーチ資料、映画ポスター、コンセプトアート、クリーチャーデザイン、小道具、撮影現場の写真などが含まれる。さらに、ポン監督の作品に影響を与えた多様なオブジェクトが配置された創作スペースも用意されている。
CJ ENMの関係者は、「1995年の設立以来、30年にわたり韓国映画の価値と地位向上に努めてきた。本パートナーシップを通じて、独自の芸術性と大衆性を兼ね備えたアジアの映画制作者が世界的に活躍するための一助となることを願っている」とコメントした。
また、アカデミー映画博物館のホンマ館長兼社長は、「アカデミー映画博物館の理事であるミッキー・リー氏とCJ ENMの支援に深く感謝している。彼らの貢献により、韓国映画を博物館の展示やプログラムに積極的に取り入れることが可能となった。『Director’s Inspiration: Bong Joon Ho』展は、観客にポン監督の創作プロセスについての理解を深める機会を提供する。今後も本パートナーシップを通じて、韓国映画に関するより深い探究を続けていきたい」と述べた。
CJグループ副会長のミッキー・リー氏は、2019年よりアカデミー映画博物館の理事を務め、映画業界の多様性と包摂性の向上に尽力してきた。また、同博物館の理事会副会長も務め、2022年のアカデミー映画博物館ガラにおいて、そのリーダーシップと貢献が評価され「Pillar Award」を受賞している。
アカデミー映画博物館は、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の豊富なコレクションと専門知識を基に、映画の世界を照らす優れた展示やプログラムを提供し続けている。