[PR]

NetflixがHDR10+ストリーミングを開始——より高品質な映像体験を提供


Netflixは、HDR10+対応デバイス向けにHDR10+コンテンツのストリーミングを開始した。これまでHDR10に限定されていたHDR10+対応デバイスでも、より高品質な映像を楽しめるようになる。

HDR技術の進化とNetflixの取り組み

Netflixは約10年前にHDR(ハイダイナミックレンジ)技術をいち早く採用し、HDRでのコンテンツ制作・エンコード・配信を進めてきた。HDRにより、映像のディテールが向上し、より鮮やかでリアルな表現が可能となる。2014年の『マルコ・ポーロ』シーズン1でHDR配信を開始して以来、Netflixは11,000時間以上のHDRコンテンツを提供しており、ここ5年間でHDRストリーミングの視聴時間は300%以上増加した。

今回のHDR10+対応は、NetflixのHDRエコシステムの拡張の一環であり、クリエイターの意図を忠実に再現しながら、より多くのデバイスで没入感のある視聴体験を提供することを目的としている。

AV1コーデックによるHDR10+の実現

NetflixはHDR10+の配信に、2018年にAlliance for Open Media(AOM)が標準化したAV1コーデックを使用している。AV1は現在最も効率的なビデオコーデックの一つであり、NetflixはすでにSDR(標準ダイナミックレンジ)コンテンツのエンコードに導入していた。AV1-SDRはH.264/AVCに次ぐ第2の主要コーデックとなっており、視聴品質の向上、再生遅延の短縮、高解像度でのストリーミング拡大といったメリットをもたらしている。

HDR10+ストリーミングの導入により、AV1の利用はさらに増加し、将来的にはNetflixで最もストリーミングされるコーデックとなる可能性が高い。現在、新作および既存のHDRタイトルにHDR10+ストリームを追加しており、AV1-HDR10+はすでにHDR対応視聴時間の50%を占めている。Netflixは、年内にすべてのHDRタイトルでHDR10+を提供することを目指している。

HDR10+の特徴と他フォーマットとの違い

現在、HDR技術には主にDolby Vision、HDR10、HDR10+の3つのフォーマットが存在する。いずれもコンテンツ内に埋め込まれたメタデータを活用し、テレビやモバイルデバイス、PCなどの再生機器が適切な映像処理を行う仕組みだ。

HDR10は最も広く採用されているHDRフォーマットであり、すべてのHDR対応デバイスで再生可能だ。ただし、HDR10のメタデータはコンテンツ全体で一律に設定されるため、シーンごとの輝度変化に柔軟に対応できないという課題がある。

HDR10+とDolby Visionは、フレーム単位での動的メタデータを活用し、シーンごとのトーンマッピングを最適化することで、より忠実な映像表現を実現する。これにより、明暗差の激しいシーンでも適切な輝度とコントラストを維持し、クリエイターの意図を忠実に再現することが可能となる。

例えば、HDR10では強い光源があるシーンでハイライトが飛んでしまうことがあるが、HDR10+では細かい光のディテールを保持できる。Netflixが公開した比較画像でも、HDR10+の方が光の当たる部分の情報が保持され、映像のリアリズムが向上していることが確認できる。

HDR10+視聴の条件

NetflixでHDR10+を視聴するには、以下の条件を満たす必要がある。

1. Netflixのプレミアムプランに加入していること

2. 視聴するタイトルがHDR10+に対応していること

3. AV1およびHDR10+をサポートするデバイスを使用していること(例:Netflix認証を受けたHDR10+対応のスマートTV、スマートフォン、タブレット、またはHDR10+対応ディスプレイに接続された対応セットトップボックスやストリーミングデバイス)

4. テレビやストリーミングデバイスの場合、Netflixアプリの設定でHDRオプションが有効になっていること

詳細な設定方法については、Netflixのサポートページを参照するとよい(Netflixサポートページ)。