NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』第3話は、主人公の家族関係を明らかにするエピソードだった。そして母に捨てられてしまう悲しい展開だった。登場人物たちの複雑な家族関係と、その中で揺れ動く子どもたちの心情を丁寧に描いた一編となった。
物語は、柳井家のかつての幸せな記憶から幕を開ける。清(演:二宮和也)と登美子(演:松嶋菜々子)、ちひろと嵩(演:北村匠海)が共にパンを食べる微笑ましいシーンだが、幼かったちひろはその記憶を持たない。実は、ちひろは元々嵩の弟であり、子どもがいなかった寛(演:竹野内豊)のもとへ養子に出された過去が明かされる。この一言が、視聴者に柳井家が抱える静かな悲しみを伝える。
嵩は絵を描き、叔父・寛に褒められるが、母・登美子の目には複雑な感情が浮かぶ。表面的には温かい家族の風景の中に、どこか居場所のなさを感じている嵩の姿が滲む。登美子は嵩の耳を見て「清にそっくり」と語り、この耳は人の声をよく聞けるから良い新聞記者になれると語る。父親の清が新聞記者だったこともここでわかる。
🏃♀️#きょうのあんぱん🖌
物心ついた時から絵を描くことが好きだった嵩🎨
嵩の絵をみた伯父・寛は
「嵩、こじゃんと絵を描け」
「好きなものはやればやるばあ、こじゃんと好きになる」
🔻背中を押してもらえた嵩の表情に注目👀https://t.co/P3AYQGScxT#木村優来 #竹野内豊#朝ドラあんぱん pic.twitter.com/S3sqFYTfHA
— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) April 1, 2025
ここで絵を褒められた体験は、後年絵本作家への原動力となるのだろうか。
ある日、登美子は実家に用事があるからと数日家を空けると告げる。嵩は登美子の後を追って学校を休む。彼の心の中には、「また失うかもしれない」という不安が渦巻いているのだろう。
そして、その不安は現実のものとなる。登美子は家を出て行ってしまったのだ。清の一周忌も迎えていない中、再婚の意向を記した置き手紙だけを残して。
一方、のぶ(演:今田美桜)はそんな嵩の様子を気にかける。町で大人たちが嵩について噂しているのを耳にし、彼が「置き去りにされた子」と見なされつつある現実に胸を痛める。そんなのぶは、嵩を見つけてシーソーで遊びながら、自分なりの励ましを伝える。「うちが嵩を守っちゃる」──幼い少女のこの一言に嵩は救われたような気持ちになる。夕日をバックにシーソー遊びに興じる二人の子どもの姿が微笑ましい。
嵩とのぶの距離が少しずつ近づいていく。のぶは頼もしい。嵩はとても大変な家庭環境に生きているが、のぶが一緒なら困難があっても乗り越えられそうという頼もしさがある。
登場人物
朝田 のぶ(今田 美桜)
朝田 のぶ[幼少期](永瀬 ゆずな)
朝田 結太郎(加瀬 亮)
朝田 羽多子(江口 のりこ)
朝田 蘭子(河合 優実)
朝田 メイコ(原 菜乃華)
朝田 釜次(吉田 鋼太郎)
朝田 くら(浅田 美代子)
屋村 草吉(阿部 サダヲ)
原 豪(細田 佳央太)
柳井 嵩(北村 匠海)
柳井 嵩[幼少期](木村 優来)
柳井 登美子(松嶋菜々子)
柳井 清(二宮 和也)
柳井 寛(竹野内 豊)
柳井 千代子(戸田 菜穂)
柳井 千尋(中沢 元紀)
宇戸 しん(瞳水 ひまり)
黒井 雪子(瀧内 公美)
小川 うさ子(志田 彩良)
山下 実美(ソニン)
辛島 健太郎(高橋 文哉)
座間 晴斗(山寺 宏一)