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アメリカMPAのCEO、政府レベルの映画製作インセンティブ強化を提言「映画製作は雇用を生む」


「製作は雇用を生む」──CinemaConで力強く訴え

米ラスベガスで開催中の映画興行業界最大のカンファレンス「CinemaCon」において、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)の会長兼CEOであるチャールズ・リフキン氏が、アメリカにおける映画製作インセンティブの連邦レベルでの強化を訴えたとVarietyが報じている。

リフキン氏は、「労働組合や業界団体と連携し、今年中に連邦レベルでの新たなインセンティブ導入を推進する」と発言。「映画製作を促進し、労働者に雇用を創出するという一点に焦点を当てた政策を模索していく」と強調した。

同氏は、メジャーな映画製作が1日あたり平均130万ドルを地域経済にもたらし、賃金総額は1,700万ドルを超えることを紹介。「インセンティブが製作を呼び込み、製作が雇用を生む」と繰り返し訴えた。

州レベルではすでに成功例が出ていると述べ、ジョージア州では1ドルの投資が6ドル以上の経済効果を生み、ニューメキシコ州では約8ドル、ニューヨーク州では9ドルの経済効果を記録していると説明。さらに、俳優・脚本家ストライキや山火事の影響で失業者が増えているカリフォルニア州においては、51本の映画に税額控除を付与し、5億8,000万ドルの経済波及効果を見込んでいるとも述べた。

「カリフォルニアからニューヨークまで、我々は立法府と連携し、これらの地域により多くの製作雇用をもたらそうとしている」と力強く語った。

Cinema Unitedのマイケル・オリアリーCEO、最低45日間の劇場独占公開期間を提案

「業界全体で新しい時代へ進化すべき」

一方、同カンファレンスでは、新たに「Cinema United」へと名称変更した旧NATO(全米映画館協会)の会長兼CEOであるマイケル・オリアリー氏が登壇。配給会社と劇場運営者に対し、「協力して業界を進化させるべき時だ」と呼びかけた。

コロナ禍以前、劇場にはおよそ90日間の独占公開期間が設けられていたが、現在では大幅に短縮されている。この現状に対し、オリアリー氏は「最低45日間の劇場公開期間が必要だ」と提案し、聴衆から拍手を受けた。

「公開初週の観客数が減少すれば、収益に大きな影響を与える。特に中小規模の映画にとっては、観客を築く機会すら得られないこともある」とし、マーケティングと連動した長期公開が業界全体の利益につながると主張した。

パンデミック前後で上位20作品の興行収入は10%減にとどまっているのに対し、次の80作品では32%の減収が見られたという。「この80作品の減少幅を10%に抑えることができれば、年間で10億ドル以上の追加収益が見込める」と試算を示した。

また、近年新作映画に対する観客の認知度が下がっているというNRGのデータを引用し、「公開中にストリーミング配信日を告知することは混乱を招き、興行に悪影響を与える」と警鐘を鳴らした。

スクリーン数減少と競争激化の中で「次なる黄金時代」を展望

オリアリー氏はまた、プレミアム大型スクリーン(PLF)形式の拡充だけに依存することの危険性にも言及。IMAXなどは興行収入のわずか9%を占めるにすぎず、「すべての劇場体験がプレミアムであるべきだ」と述べた。

「大型スクリーンだけが劇場に行く理由であるという認識を広めてしまえば、映画館というビジネスの根幹が崩れてしまう」とし、地域のシアターにおけるすべての上映体験の質を保つことの重要性を強調した。

コロナ禍を経て、北米ではスクリーン数が約5,700減少し、興行収入も回復途上にある。加えて、ストリーミングとの競争も激化する中、オリアリー氏は「業界は今、映画の次なる黄金時代の入り口に立っている」と前向きな展望を語った。

「配給会社と劇場が誠意と建設的な精神で協力すれば、業界をより良くできる」と締めくくった。