2025年の幕開けとなった第1四半期、米国株式市場は全体的に軟調な展開となったが、ハリウッド関連株は銘柄によって大きく明暗が分かれた。
ストリーミング事業の収益性改善への期待や、再編・買収の思惑が投資家心理を下支えする一方で、トランプ大統領の2期目政権下における規制環境の不透明さや、伝統的なケーブルネットワークの不振、そして景気後退への懸念が重くのしかかった。
ウォルフ・リサーチのアナリスト、ピーター・スピーノ氏は3月31日付のレポートで「3月に入り『トランプ・プット』は大きく価値を失った」と指摘。メディア・エンタメ分野では、Roku(ロク)とSphere Entertainment(スフィア・エンターテインメント)が最もリスクが高く、Netflix(ネットフリックス)とLiberty Media傘下のFormula One Groupは安定的と分析した。また、通信・ケーブル分野ではComcast(コムキャスト)に最もリスクがあり、他の通信企業は守りが堅いとの見方を示している。
ストリーミング大手のネットフリックスは、2024年に株価が約90%上昇したが、2025年第1四半期は小幅な4.6%の上昇にとどまり、3月末時点での終値は932.53ドルとなった。第4四半期決算を受けて、アナリストはさらなる上昇余地があると予測している。
パラマウント・グローバルは、2024年に27%下落したものの、2025年第1四半期には14.3%上昇し、11.96ドルで締めくくった。同社は年央までにスカイダンス・メディアによる買収が予定されている。
一方、NBCユニバーサルを傘下に持つコムキャストは、2024年11月にケーブルネットワークの分社化を発表したが、第1四半期の株価は1.4%下落し、36.90ドルで終了した。ディズニーも昨年はボブ・アイガーCEOの復帰により株価が23%上昇したが、2025年に入り11%の下落で98.70ドルとなった。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)は、昨年12月にコムキャストに続いてケーブルネットワークの分社化を発表。株価は0.6%上昇し、10.73ドルで第1四半期を終えた。
フォックス・コーポレーションは2024年に60%の上昇を記録したのに続き、2025年第1四半期も15.5%上昇し、56.60ドルに達した。CEOはラクリン・マードック氏が引き続き務めている。
映画製作・配給会社ライオンズゲートは、2024年に26%下落したが、スタジオ部門とStarzの分離計画を控え、2025年には回復傾向にある。第1四半期の株価は1.8%上昇し、7.92ドルとなった。
一方、小規模メディア企業ではAMCネットワークスが31%の大幅下落で6.88ドルに。UFCとWWEを傘下に持つTKOグループは、前年の74%上昇に続き、7%上昇し152.81ドルを記録した。
映画館チェーン関連株も明暗が分かれた。AMCエンターテインメントは28.6%下落して2.87ドル、シネマークも19.6%下落し24.89ドルに。一方、アイマックスは堅調に推移し、5%上昇して26.35ドルとなった。
Rokuは5.4%の下落で70.44ドル、Sphere Entertainmentは21%の急落で32.72ドルとなった。
音楽業界では、ワーナー・ミュージック・グループが1%上昇して31.35ドル、ユニバーサル・ミュージック・グループ(アムステルダム上場)は2.8%上昇し25.43ユーロを記録。一方、iHeartMediaは16.62%下落して1.65ドル、SiriusXMは1%下落し22.55ドルとなった。
なお、米主要株価指数のS&P500は第1四半期に4.6%下落し、5611.85ポイントで終了。3年ぶりに最悪の四半期成績となった。
ソース:Hollywood Stocks Review Q1 2025: Netflix, Walt Disney, Fox Corp.
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