新型コロナウイルスのパンデミック初期、国内外に衝撃を与えたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での集団感染。日本初の新型コロナ対応現場の実話をもとに描く映画『フロントライン』が、6月13日(金)より全国で公開される。
本作は、横浜港に入港した豪華客船を舞台に、感染拡大が進むなか未知のウイルスに立ち向かった医療従事者たちの奮闘を描く。出演者には小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介、森七菜、桜井ユキらが名を連ね、実話に基づくオリジナル脚本で挑む。監督は関根光才、企画・脚本・プロデュースは増本淳が務める。
増本は「船内の実態を知ったとき、涙なくしては聞けないエピソードの連続だった。この知られざる愛と勇気の物語を多くの人に共有したいと思った」と語る。また関根監督も「これは私たち全員が共有すべき出来事であり、次のパンデミックにどう立ち向かうかを考えるきっかけになる」として、本作に込めた強い想いを明かした。
主人公・結城英晴を演じる小栗旬は「すごく力のある映画だった。全員が主役の映画になっており、参加できたことを誇りに思う」とコメント。さらに、「どのエピソードも実話をベースにしていて非常にドラマチックだった」と作品への思いを語った。
厚労省職員・立松信貴役の松坂桃李は、「撮影時は船内がどんな風に描かれていくのか分からないまま、緊張感だけは絶やさずに臨んだ」と回想。「何が起きているのかわからない。それは当時、現場の誰もが感じていた感情だったのだと思う。観た方の心に記憶として残り続けてほしい」と話す。
DMAT隊員・真田春人を演じた池松壮亮は、「ダイナミックな映像と人間ドラマが調和し、社会性とエンターテインメント性の両方を備えた素晴らしい映画に仕上がっていた」と評価。「あの時世界を支えてくれた医療従事者の勇気と献身に、心から敬意を表したい」と述べている。
医師・仙道行義役の窪塚洋介も、「皆で乗り越えたコロナ時代がまだ生々しいので、多くの思いが溢れて涙に変わった。心が震えるカットがたくさんあった」と感慨深げに語った。
新聞記者・上野舞衣役の桜井ユキは、「初めて脚本を読んだときに感じた得体の知れない焦燥感が忘れられなかった」と述懐。「完成した本編を観て、その感情に向き合えた気がした。あの船で起きていた出来事に、1人でも多くの方に触れてほしい」と呼びかける。
DMAT隊員・羽鳥寛子役を演じた森七菜は、「突然現れたウイルスは、日常を一瞬で奪った。大切な人を守るために多くを失った日々。この作品は、あの時、海の上で起きていたこと」と述べ、「懸命に戦い、信じ続けた方々に敬意を持って挑んだ」と熱い思いを語った。
監督は『生きてるだけで、愛。』などで知られる関根光才、企画・脚本・プロデュースは増本淳が務める。関根監督は「パンデミックという人類が共通して経験した出来事を、愛と葛藤の実話として映像化することは、フィルムメーカーとしての責務と感じた」と語っている。
映画『フロントライン』は、パンデミックの知られざる最前線にあった人々の実話を、圧倒的な臨場感と人間ドラマで描く衝撃作。5年を経た今、改めて「命と向き合うこと」の意味を問う、社会的意義のある一本として注目される。