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「gooブログ」が11月にサービス終了へ――相次ぐブログ終了の波、ネットアーカイブの課題が浮き彫りに


ブログサービス「goo blog」が2025年11月18日をもって、21年の歴史に幕を下ろす。運営元のNTTレゾナントは、4月14日に公式ブログ上でサービス終了を発表した。2004年3月のサービス開始以来、個人の思いや日常、趣味、専門知識をつづる場として親しまれてきたが、近年の利用環境の変化を背景に、サービスの継続が困難と判断されたものとみられる。

終了までのスケジュールは段階的に進行する。4月16日よりブログ引越し・データダウンロード機能が提供開始され、7月1日には新規ブログの開設が終了。10月1日には新規投稿や有料課金の受付が停止され、11月18日をもって完全終了となる。なお、推奨移行先として「Amebaブログ」「はてなブログ」などが案内されている。

相次ぐサービス終了、過去の投稿はどこへ?

「goo blog」の終了は、ブログサービス全体の転換期を象徴する動きでもある。昨今、類似のサービス終了は後を絶たない。2019年には「Yahoo!ブログ」も終了した。これにより、多くのユーザーが過去の記録や思い出のデータを失う事態が相次いだ。

また、Googleが提供していた「Google+」のように、SNSやコミュニティ機能を兼ね備えたサービスが短期間で終了し、ユーザーの投稿がインターネット上から消失するケースも珍しくない。こうした動向は、商業的な合理性に基づく判断であると同時に、「個人の記録の保存」という観点から重大な課題を突きつけている。

アーカイブとしてのブログの意義と、その喪失

ブログは単なる情報発信の場ではない。趣味や日常の記録、専門的知見の共有、災害時の記録、社会運動の記録など、多種多様な内容が蓄積されてきた。それは、個人にとってのライフログであると同時に、ネット文化や市民社会の貴重な記録でもある。

しかし、サービス終了とともに閉鎖され、検索すらできなくなるコンテンツは膨大に存在する。専門家の間では、「デジタル時代の民間アーカイブ」としてのネット投稿の保存・継承方法について議論が高まっている。

国立国会図書館やインターネットアーカイブ(Wayback Machine)などによる保存活動はあるものの、網羅性には限界があり、ブログや個人サイトの大部分は記録に残らない。著作権やプライバシーの問題もあり、第三者による無断保存が困難な場合もある。

利用者には早期のバックアップと移行を推奨

「goo blog」では、ブログ記事をMT形式で出力できる機能を提供しており、移行希望者は2025年4月16日からダウンロードが可能となる。ただし、画像のリンク切れや絵文字の非対応など、完全な移行には一定の手間が伴う。データを紙の書籍として保存できる「MyBooks.jp」との連携も用意されている。

ブログの移行や保存を検討する利用者にとって、今後数か月は貴重な準備期間となる。「goo blog」に限らず、サービス終了の可能性があるプラットフォームを利用しているユーザーにとっても、改めて「自分の記録をどう守るか」を見直すきっかけになりそうだ。