BL（ボーイズラブ）専門電子書籍サービス「La Roseraie（ラ・ロズレ）」を運営する株式会社SGHは、タイにおいて日本のエンターテイメントキャラクターIPビジネスを展開する「DREAM EXPRESS（DEX）」および、動画配信プラットフォーム「FLIXER」と業務提携を締結した。これにより、同サービスで配信中の一部BL作品をタイ語に翻訳し、2025年4月11日より「FLIXER」内にて配信を開始している。
発表に際しては、SGH CEOであり二見書房代表取締役社長も務める堀内速人氏と、DEX社のKrit CEOが登壇。会場となった堀内印刷所本社において、タイの有力メディアであるKhaosod、Daily News、Brandageなど計5社との記者会見を実施した。
堀内氏は会見で、配信コンテンツの概要を紹介。「初回配信には、La Roseraieオリジナル作品『執着天使は悪魔がお好き』や『幼馴染は溺愛クールビューティー』が含まれている。中でも注目作は、Amazon KindleでBLノベルスカテゴリ1位を3週間以上維持した『獣人王のお手つきが身ごもりまして』（二見書房）のコミカライズである」と語った。
さらに堀内氏は、「La Roseraieでは日本国内約30社の出版社から提供された15,800点以上の作品を配信しており、今後タイでの反響次第でさらなる作品展開も検討している。『FLIXER』のダウンロードを通じて、より多くの読者に届けたい」と展望を示した。また、タイのBL作品を日本国内向けに配信する可能性について問われると、「DEX社の協力を得て取り組んでみたい」と意欲を見せた。
提携の概要
本提携は、SGHが運営する「La Roseraie」のBL作品を、FLIXER社が提供するアプリ内の電子書籍コーナーにて展開するものである。FLIXERは、DEX社とタイのIT企業i-App Creation社の合弁により運営されており、今回の連携により、動画と電子書籍を横断したクロスメディア展開が期待されている。
FLIXERアプリではこれまでに『仮面ライダー』『名探偵コナン』『エヴァンゲリオン』など5,000話以上の作品を配信しており、2024年から電子書籍機能も追加された。今回のLa Roseraieコンテンツの導入により、BLファン層への訴求を強化する。
タイ国際ブックフェアでの反響
2025年3月27日から4月7日にかけて開催された「タイ国際ブックフェア（Bangkok International Book Fair）」では、DEXが出展ブースを展開。FLIXER内で配信されるLa Roseraie作品を来場者が実際に体験できる場を設け、高い注目を集めた。同フェアには、日本・英国・韓国・中国など計14ヶ国から115社以上が参加し、2万平方メートル超の展示スペースで盛況を博した。
La Roseraieとは
La Roseraie（ラ・ロズレ）は、2023年9月にグランドオープンしたBL専門電子書籍サービスである。「BLの世界にどっぷり浸かりたい」というニーズに応えるべく、BL作品のみに特化した配信を行っており、SGHが運営。約15,800点の作品を配信し、総コンテンツ数は33,200点を超える。日本の主要出版社30社以上が参画している。
La Roseraie公式サイト：https://roseraie.tokyo/