『スター・ウォーズ シネマ・コンサート 2025』で、エピソード4「新たなる希望」を見てきた。ちょうど同じ時期に「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン」も開催されているが、僕が縁があってこちらを鑑賞させてもらうことになった。
シネマ・コンサートとは、映画作品を上映し、音楽を生オーケストラで演奏するもの。上映素材はおそらく映画館向けのものとは異なり、音楽だけは映像から流れず、生演奏を楽しんでもらうという趣旨である。
リアルサウンド映画部で、この件を取材しているので、そちらも合わせて読んでほしい。
取材でもシネマ・コンサートと通常の映画館での上映、どう異なるかを尋ねているが、確かにまったく異なる感招待券だった。音楽だけが生演奏だから、もっと音楽が主役で映像は盛り上げ役なのかなと思っていたら、普通に映画に見入ってしまった。だけど、音楽の圧は確かにその場にあるという実感が凄いので、なんか映像の世界の実感まで異なってくる。迫力も増しているような気がした。
演奏は20世紀フォックスのファンファーレまでやってくれる。『スター・ウォーズ』の上映といえば、あのファンファーレも含むとこだわる人が多いけれど、今回は生オケがそれも含めて、その後に続くテーマ曲を演奏してくれるのでその一体感が映画館以上に感じられるものとなっていた。
ジョン・ウィリアムズの楽曲はオーケストラ演奏向きだと思う。特に『スター・ウォーズ』は壮大なオペラを音楽押で盛り上げていくタイプの作品だし、こういう催しには最適だと思った。「帝国のマーチ 」が流れるところはやりテンションが上がる。重低音が響くし、生でビリビリと来るものがって、帝国の圧をより強く感じさせてくれた。
途中でインターミッションがあるのは、ちょっと驚いた。まあ、生演奏ですからね、多少休憩入れたほうがいいよな。
オーケストラの方たちはスクリーンのすぐ下に陣取っているのだが、映画を見るのにいい意味で気にならない。もっと視界に入ってくるのかなと思っていたけど、そんなことはなかった。
最後は自然と拍手が会場から巻き起こり、こういうところも含めて普通の映画館では味わえない感動と興奮があった。また機会があればぜひ行きたいと思った。
考えてみれば、映画館はサイレント映画時代には、劇場に演奏者がいて音楽の生演奏つきで上映したりしていたのだけど、そういう原初の体験にこれは近いものだ。映画の楽しみ方は一つではなく、色々なものと組み合わせることでその魅力を変えていくのだなと改めて思った。シネマ・コンサートの鑑賞体験は、映画館とは異なる特殊で唯一の感覚があると思う。