喜多川歌麿や葛飾北斎らの名品が一堂に集結、江戸と現代が交差する異空間
2025年夏、新宿歌舞伎町が江戸の色気とユーモアに染まる。「新宿歌舞伎町春画展ー文化でつむぐ『わ』のひととき。」が、7月26日(土)から9月30日(火)までの約2か月間にわたり、新宿歌舞伎町能舞台にて開催される。主催はSmappa!Group、特別協力は浦上蒼穹堂。
本展では、菱川師宣、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳といった江戸時代の名だたる浮世絵師たちによる春画約100点を展示。出展作品は、国際浮世絵学会常任理事であり、春画の第一人者・浦上満氏の個人コレクションから厳選されたものだ。

歴史と実績に裏打ちされた浦上満コレクション
浦上氏は「北斎漫画」世界一のコレクターとして知られ、春画においても国内外で評価が高い。2013年には大英博物館での「春画展」に協力し、2015年には東京・永青文庫で開催された日本初の春画展を実現させ、約21万人を動員した。今回はその集大成とも言える展示が、世界有数の歓楽街・歌舞伎町で行われる。
能舞台を活かした斬新な展示空間
会場となる「新宿歌舞伎町能舞台」は、1941年に設置された「中島新宿能舞台」を前身とし、2022年にSmappa!Groupが取得・改装した文化拠点である。アートディレクションをChim↑Pom from Smappa!Groupの林靖高が担当し、舞台や橋掛り、楽屋や客席に至るまでを展示空間として活用。現代アートと伝統文化の融合が図られる。
江戸の春画が今に語りかけるメッセージ
春画は「笑い絵」「わ印」とも呼ばれ、単なる性の描写にとどまらず、知的遊戯やコミュニケーションツールとして江戸庶民の暮らしに根付いていた。浮世絵師たちはその表現に全身全霊を注ぎ、滑稽さ、美しさ、そして人間の欲望を巧みに描いた。
また、春画には漢詩や和歌、古典文学の引用が随所に見られ、見立てややつしといった文化的な遊びも豊富である。現代においてもジェンダーや国籍、年齢、職業といったあらゆる枠組みを越え、見る者の想像力を刺激し続けている。
「文化のわ」が交差する歌舞伎町
煌びやかなネオンと雑踏、さまざまな欲望と幻想が入り混じる歌舞伎町は、まさに現代の春画的空間といえる。本展は、そうした都市のリアルと、江戸文化の想像力を交差させる試みであり、来場者に“文化のわ”としての春画を体感させる場を提供する。
展覧会概要
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会期:2025年7月26日(土)~9月30日(火)
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会場:新宿歌舞伎町能舞台(東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿 2階)
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展示作品:春画 約100点(浦上満コレクション)
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入場制限:18歳未満入場不可
関連リンク
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