映画配給会社Neonが、新作スリラー『バッド・ルーテナント:トーキョー(Bad Lieutenant: Tokyo)』の製作を発表した。監督を務めるのは、『オーディション』『十三人の刺客』などで知られる三池崇史。主演には小栗旬、リリー・ジェームズ、WWEスターのリヴ・モーガンが名を連ねる。
本作はアメリカと日本の共同製作で、Recorded Picture Companyのジェレミー・トーマス、Pressman Filmのサム・プレスマン、日本テレビの北島直明、OLMの坂美佐子がプロデュースを担当。製作総指揮には、トム・クイン、桑原祐三、藤村哲、ポーラ・パイゼスらが名を連ねている。
脚本は三池とたびたびタッグを組んできた天願大介によるもので、原案はエドワード・R・プレスマンが手がけた『バッド・ルーテナント』シリーズに基づいている。物語は、汚職とギャンブルに溺れる警視庁の刑事(小栗)が、FBIから派遣された謎めいた女性捜査官(ジェームズ)と共に、政治家の娘(モーガン)の失踪事件を追うという内容。捜査が進む中、ヤクザの地下社会で暗躍する殺人鬼の影がふたりの周囲に迫っていく。
三池監督は「いま、才能ある俳優とスタッフが東京に集結している。ど真ん中ストレートで勝負する。全力でエンターテインメントの限界を突破し、忘れられない作品を届けたい」とコメントを寄せた。
Neonは北米での劇場公開を予定しており、国際販売権をカンヌ国際映画祭で取り扱う。本作はカンヌ・マーケットでの注目作品の一つと目されており、Neonが手がける『Anora』が本年度アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞など5部門を制した成功を追い風に、新たな挑戦となる。
プロデューサーのトーマスは「三池崇史というマスターフィルムメーカーと共に、この象徴的なIPを再解釈できることを嬉しく思う。日本は創造と配信の土壌として非常に魅力的な場所だ」と語っている。
一方、プレスマン・フィルムのCEOサム・プレスマンは「本作は、警察と人間の魂の堕落というテーマが世界的に通じることを示している。父エドワード・R・プレスマンの遺志を継ぎ、三池監督、Neon、そしてジェレミー・トーマスと共に新たな進化を遂げることは、名誉であり夢の実現でもある」と述べた。
三池崇史監督は、カンヌでも評価の高い『一命』『藁の楯』を含め、100本以上の作品を手がけてきた。小栗旬は『花より男子』『ゴジラvsコング』など国内外で活躍し、三池作品とは『クローズZERO』『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』などで共演歴がある。リリー・ジェームズは『ダウントン・アビー』『シンデレラ』『ベイビー・ドライバー』などで国際的に知られ、『Pam & Tommy』での演技が高く評価された。WWEのリヴ・モーガンは元女子世界王者で、近年は俳優としても注目されている。