韓国のエンターテックスタートアップBIGCは、日本市場における事業を本格化するため、日本法人「ビックジャパン株式会社」(代表取締役:金基一)を設立した。グローバルなK-POP公演事業で培った「オールインワン デジタルベニュー」モデルを日本向けにローカライズし、J-POPアーティストのIP事業にも乗り出す。
世界225ヶ国展開のプラットフォーム、15%が日本ユーザー
BIGCは、AIライブ、グローバル配信、ファン向けコマース、ファンダムデータ分析などを統合したデジタル公演プラットフォームを展開。すでに世界225ヶ国に展開し、利用者の約80%が海外ユーザーで構成されている。中でも日本のファンが15%を占めており、市場の重要性は高まっている。
これまでチェン・ベクシ、テミン、INFINITE、ベンベン、パク・ヒョンシク、チョン・ヘインといったK-POP・K-ドラマの人気アーティストによる100公演以上を成功させ、K-カルチャーIPの収益化モデルを証明してきた。
J-POPも対象に据えた全方位戦略
日本法人ビックジャパンは、東京・大阪を拠点としたK-POPコンサートやファンミーティングの実施に加え、J-POPアーティストのファンクラブ運営や放送局との共同コンサート、授賞式コンテンツ制作など、エンタメ領域を横断する全方位展開を計画している。
さらに、BIGCのプラットフォームを通じてリアルタイムのグローバル配信、ファンとのインタラクション、オンラインでのグッズ販売、広告連携までを包括したハイブリッド型ビジネスモデル「BIGC PASS」の提供も進めていく。
デジタルシフトが加速する公演市場、日本が主戦場に
BIGCは「グローバル78兆円規模のライブ公演市場における“Digital Shift”を牽引する」と明言。日本市場は約4.5兆円という規模を持ち、オフラインを前提としてきたファンクラブや公演事業を、同社のテクノロジーによってデジタル化・収益化することを狙う。
BIGCのキム・ミヒ代表は「日本市場において、K-POPに加え、J-POPアーティストや現地公演のグローバル展開も全面支援していく」と述べ、単なる海外IPの輸入にとどまらず、日本発IPの国際展開にも意欲を見せている。
成長力と収益力を同時に証明
BIGCはサービス開始から2年で累積利用者250万人を突破し、2025年第1四半期には黒字転換に成功。前年同期比で売上は5倍、ユーザー数は13倍と急成長を遂げており、技術力と市場適応力の高さを裏付ける実績を有する。
今後、ビックジャパンをハブとして、日韓のエンタメ産業を横断する新たなグローバルIPビジネスモデルの創出に注目が集まる。