『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 公式サイト』のEPG問題でガンダムの公式サイトから声明が出ている。
EPG(電子番組表)等での番組表示に関するお知らせ | NEWS | 機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 公式サイト
機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は、地上波では日本テレビ系の60分番組である「火曜プラチナイト」の中で全国同時に放送しております。
この「火曜プラチナイト」は、4月8日(火)の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』放送開始以前と同様、55分(現在は5分拡大した60分)の番組であり、EPGの文言は放送局ごとに設定されていますが、基本的な内容は全国で共通です。現在、EPG番組名や番組説明欄にて『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』、「ガンダム ジークアクス」等の記載をしているものの、お使いのテレビや録画機の設定などによっては、ご不便が生じる可能性がございます。
尚、番組・EPGの仕様でこのような形でお届けしておりますが、放送時間・放送内容の変更等を示唆するものではございません。
『ジークアクス』がバラエティ番組と同じ60分枠内で入れ込まれており、それによって録画しづらいという声が上がっていた。
《注意喚起》4/8開始の『ガンダム ジークアクス』地上波放送、別番組と合同枠のため録画時の見落としに注意を【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】 – 電撃オンライン
なぜ、このような編成になったのか、色々な憶測が飛び交っているが、作中で2体のガンダムが1組になって戦うMAV戦術を採用しているから、他の番組をMAVになっているのだというのはもちろん冗談だが、この放送枠が「火曜プラチナイト」という放送枠でであり、その枠内でジークアクスがやるという構成になっていることで、混乱が生じている。
つまりEPGの設定上は、「火曜プラチナイト」という番組がこの時間には放送されており、その内容が『ジークアクス』と『上田と女がDEEPに吠える夜』というわけだ。EPGの設定の上では『ジークアクス』は番組ではないということだ。
そもそも、どうしてこういう編成にしたのかはわからないが、そもそもEPGとはどういう仕様になっているのか、気になったのたので調べてみることにした。
1. そもそもEPGとは何か
日本のデジタル放送では、番組情報は PSI/SI(Program Specific Information / Service Information) と呼ばれるメタデータ群としてMPEG‑2 TSの中に一緒に多重化される。番組表として視聴機器が参照するのは、その中のEIT(Event Information Table)というものらしい。番組ごとに
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event_id(局内で一意の通し番号)
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開始/終了時刻(UTC換算の絶対時刻)
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short_event_descriptor(最大 63 バイトで番組タイトルとサブタイトルを格納)
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extended_event_descriptor(詳細あらすじ等)
などのデータが送られるとのこと。これをテレビや録画機が読み込んで、電子番組表として構成されるわけだ。送出される。(参照:標準規格概要(STD-B10)|一般社団法人 電波産業会、地上一般放送局(エリア放送) 開局・運用ガイドライン )
で、レコーダー側は今はスポーツ中継などで延長で放送時間がずれてもそれを追跡して録画する機能があったりするが、それはEITの中で番組名などが一致しているかどうかで判断することがどうも多いようだ。だから番組名が変わると、録画に失敗することがある。
アニメ関連でいれば、2016年の『はいふり』がサプライズ演出で『ハイスクール・フリート』に2話から変わったことがあって、これによって録画を取り逃す人が続出したということがあった。
「はいふり」改め「ハイスクール・フリート」 タイトル変更で自動録画失敗のおそれ 予約中の人は再確認を! – ねとらぼ
『ハイスクール・フリート』の場合、第一話ではEITの番組名は「はいふり」だったので、その時点で毎週自動録画を設定した場合、レコーダーが追従するのは「はいふり」という文字列の番組なので『ハイスクール・フリート』は録画しない機種もあったのだ。
その他、『相棒』が55時間テレビ特番で放送されることになった時、タイトルに55時間が入ってきたために文字列一致し亡くなり、録画失敗になったケースもあるとか。「相棒」がなぜか録画できていない! テレ朝「55時間テレビ」に苦情相次ぐ: J-CAST ニュース
ただ、レコーダーによっては上記のevent_idで判断するタイプもあるようで、この場合はタイトルが変更になってもidは変わっていないので録画できる。これは機種によるようだ。その他番組の時刻で見るパターンもあるようだ。
このあたりはメーカーによっても異なる。ソニーの場合は以下のような場合、録画に失敗することがあると記載されている。
- 録画予約した番組の放送局に類似した番組名がある場合
- 番組名に記号や数字、スペースが多く含まれている場合
- 番組名の先頭に異なる文字が追加されている場合
- 本機が番組名を正しく認識できない場合
たぶん文字列を独自のやり方でチェックして自動録画機能を走らせる仕組みなのだろう。
スポーツ中継の延長や放送時間の変更があっても、予約録画した番組を最後まで録画することはできますか? | Sony JP
今回の『ジークアクス』の場合、火曜プラチナイトという番組名であることが混乱を招いたと思われる。番組説明欄でジークアクスの名前がでているので、それを読みに行けるタイプの録画機なら録画可能なのだろうが、そうでない機種もあることだろう。このあたり統一的な規格ではなく、各社独自にEPG情報をとう解釈するかに違いがあるということなんだろう。
idを読み込む場合は、火曜プラチナイトで一括のidで登録されているだろうから、もう一つのバラエティも必然的についてくることになるので、『ジークアクス』だけの録画が難しくなるんだと思う。一番確実なのは、時間帯で自ら指定してしまうことかもしれないが、放送時間の変更には対処できないので完璧とは言えない。
結局、色々面倒くさいなと思うので、配信で見た方が便利という結論になってしまうが、EPGの仕様というのは、もう少しなんとかならないものなのだろうか、と調べてみて思った。