俳優ティモシー・シャラメが、イタリア映画界最高峰の「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞(通称:ダヴィッド賞)」において、映画芸術への卓越した功績を讃える特別賞「David Award for Cinematic Excellence」を受賞した。授賞式は、2025年5月7日(現地時間)、ローマ・チネチッタ・スタジオで開催され、恋人で実業家・モデルのカイリー・ジェンナーとともに登壇。二人が公の場でレッドカーペットを歩くのは初となった。
「キャリアの転機はルカ・グァダニーノ」──シャラメが語った“イタリア映画との縁”
シャラメはスピーチの中で、自身の出世作『君の名前で僕を呼んで』(2017年)を監督したルカ・グァダニーノへの深い感謝を表明。「ルカは、私のキャリアにおいて最も重要な人物だ」と述べた。22歳で初のアカデミー賞主演男優賞ノミネートを果たした同作は、イタリアで撮影された作品であり、彼にとって国際的な飛躍のきっかけとなった。
「私はニューヨーク出身の20歳の若者で、アメリカの映画業界でなかなか芽が出なかった。そんなとき、ルカが私にチャンスをくれたおかげで、一晩でキャリアが動き出した」と振り返った。
「家系にイタリアの血はないが、心は映画でつながっている」
イタリアにルーツを持たないシャラメだが、「私はイタリアに血縁関係はないが、イタリア映画界とは深い絆を感じている」と語る。さらに、自身が熱烈なASローマのファンであることに触れ、「もし俳優の道を選ばなければ、フランチェスコ・トッティの得点記録を塗り替えていたかもしれない」とジョークを交え、観客の笑いを誘った。
主催者も絶賛「時代を動かすスター」
授賞理由について、イタリア映画アカデミーの会長ピエラ・デタッシス氏は「ヨーロッパ的な素養とアメリカ的な背景を併せ持つシャラメは、現代映画界における最も予測不可能で才能あふれる主役の一人。芸術性とスター性の両立が彼の魅力だ」と評価した。
今年のダヴィッド賞、主要候補作は?
今回の授賞式では、以下の作品が主要部門で注目されている。
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パオロ・ソレンティーノ監督『Parthenope』
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アンドレア・セグレ監督『The Great Ambition』
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マウラ・デルペロ監督『Vermiglio』
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ヴァレリア・ゴリノ監督『The Art of Joy』
70回目という節目を迎えた今年のダヴィッド賞は、ティモシー・シャラメという国際的スターの登場によって、例年以上に華やかな盛り上がりを見せた。
写真:LOS ANGELES MAR 27 – Timothee Chalamet at the Vanity Fair Oscar Party at Wallis Annenberg Center for the Performing Arts on March 27, 2022 in Beverly Hills, CA