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音楽業界株価指数が7週連続上昇、年初来31.8%の高い伸びを記録
2025年5月24日 – 世界の株式市場が下落し、関税懸念が高まる中、韓国と中国の音楽関連企業が5月23日終了週において最も優れたパフォーマンスを示した。
K-pop企業SMエンターテインメントが10.6%上昇でトップ
aespaやRIIZEが所属するK-pop大手SMエンターテインメントが、音楽株の中で最も高い10.6%の上昇を記録し、週間トップパフォーマーとなった。中国の音楽ストリーミング企業2社が続き、NetEase Cloud Musicが7.0%、Tencent Music Entertainment(TME)が5.4%の上昇を見せた。BTSとそのメンバーのソロプロジェクトを擁するHYBEも4.0%上昇と健闘した。
ビルボード・グローバル・ミュージック指数が過去最高値を更新
アジア圏音楽株の好調により、20社で構成されるビルボード・グローバル・ミュージック指数(BGMI)は0.2%上昇し、過去最高値の2,800.92を記録した。この小幅上昇により、トランプ大統領の4月1日関税発表を受けた2週間の下落後から7週連続の上昇となった。
音楽業界が経済不安定時に優れたパフォーマンスを示すことを証明する形で、BGMIは年初来31.8%上昇し、ナスダック(4.5%下落)やS&P500(2.4%下落)を大幅に上回っている。
米国上場音楽株は軒並み低調
今週、米国上場の音楽株は特に低調なパフォーマンスを示した。米国取引所で取引される音楽株のうち、上昇したのはTME(香港取引所にも重複上場、ニューヨーク証券取引所では米国預託証券として取引)のみであった。今週下落したBGMI構成20社のうち12社中、米国外で取引されているのはドイツのコンサートプロモーターCTS Eventimのみであった。
関税懸念とムーディーズ格下げが米国市場を圧迫
トランプ大統領がEUとの貿易交渉停滞を受けて50%の関税を勧告したことで、米国株は週末にかけて急落した。S&P500は2.6%、ナスダックは2.5%下落した。ムーディーズによる米国債務格付け引き下げ、それに伴う米国債務への懸念、先行経済指数の低下など、米国経済への警告サインが相次いだ。ドイツ銀行のジム・リード氏は今週、米国が「千の傷による死」を経験し、「財政ニュースの悪化が滴り落ちている」と分析した。
CTS Eventimが四半期決算発表、期待下回る結果
4.7%下落して106.60ユーロ(121.21ドル)となったCTS Eventimは、今週四半期決算を発表した唯一の音楽企業であった。2024年のSee Tickets買収により売上高は22%増加したものの、調整後利息・税金・減価償却費控除前利益(EBITDA)は8.9%の改善にとどまり、一部アナリストの予想を下回った。木曜日の発表後、同社株価は一時14.7%下落し、最終的に6.2%安の105.60ユーロ(111.09ドル)で取引を終えた。
レーベル・出版事業の多角的企業は明暗分かれる
レーベルおよび出版事業を手がける多角的企業では、ユニバーサル・ミュージック・グループが1.8%上昇して27.77ユーロ(31.57ドル)と好調であった。一方、ワーナー・ミュージック・グループは市場を動かすニュースやアナリストのコメントがなかったにも関わらず5.3%下落して26.22ドルとなった。5月28日に決算発表を控えるReservoir Mediaは1.2%下落して7.23ドルであった。
ストリーミングサービス各社の動向
ストリーミングサービス各社の株価は混在した結果となった。Spotifyは0.4%下落して653.82ドル、Deezerは0.8%上昇して1.31ユーロ(1.49ドル)、Anghamiは5.1%下落して0.56ドルであった。
LiveOneは20.8%の大幅下落で0.76ドルとなり、今週最大の下落銘柄の一つとなった。同社は木曜日(5月22日)に2,780万ドルの転換社債融資を確保し、5月19日に1,680万ドルを引き出したと発表した。この社債は1株2.10ドルでLiveOneの普通株式に転換される。
Live Nationは微減も目標株価引き上げ
Live Nationは1.8%下落して145.01ドルとなった。マッコーリーは目標株価を165ドルから175ドルに引き上げ、「アウトパフォーム」格付けを維持した。火曜日には、トランプ大統領の第1期政権時代の指名者であったリチャード・グレネル氏が取締役に就任したと発表された。
ソース: SM Entertainment, Cloud Music Lead Music Stocks to Small Gain as Markets Tumble