俳優の上川隆也が、7月11日からテレビ東京で放送開始する金曜ドラマ9「能面検事」に主演することが明らかになった。本作品は、ベストセラー作家・中山七里による人気小説シリーズを原作とする痛快リーガルミステリードラマである。
無表情な主人公「能面検事」とは
「能面検事」は、”どんでん返しの帝王”として知られる中山七里氏の代表的な司法ミステリー小説シリーズである。大阪地検のエース検事・不破俊太郎を主人公とし、権力者からの圧力や組織のしきたりに屈することなく、むしろそれらを圧倒しながら事件の真相を暴いていく爽快な物語が展開される。
主人公の不破俊太郎は、検察の上層部や警察組織に対して一切の忖度をせず、冷静沈着に淡々と職務を全うする検察官である。その無表情ぶりから”能面検事”の通り名で呼ばれている。
原作者も驚く映像化の実現
原作者の中山七里氏は、主人公が無表情であるという特徴から「映像化は絶対無理だ」と考えていたという。表情で演技することが多い日本のドラマにおいて、無表情のキャラクターを主役にすることの困難さを予想していたためである。
しかし、上川隆也の主演が決定したことで、中山氏は「ひと安心した」とコメントしている。無表情からどのように感情を表現するのか、上川の演技力に注目が集まっている。
ストーリーの見どころ
物語は、不破俊太郎の事務官となった惣領美晴が、上司の無表情ぶりと歯に衣着せぬ物言いに辟易するところから始まる。二人が最初に担当するのは、大阪市内で発生した女子高校生殺害事件である。
被疑者は殺害現場付近に住む引きこもりの男で、特に問題なく起訴される予定だったが、不破はある矛盾に気づく。同時に、事件の管轄となった所轄署では不可解な証拠品紛失事件が発生していた。
ドラマでは毎話、日本社会の闇を描いた社会的テーマを横軸に展開し、警察組織の隠蔽体質や検察組織の官僚体質を暴く爽快なストーリーを縦軸で描いていく。司法権力の本質に迫る骨太な物語は、予想を裏切る衝撃の展開へと導かれる。
放送・配信情報
「能面検事」は7月11日より毎週金曜午後9時から9時54分まで、テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送で放送される。初回は15分拡大版となる。
各話の放送終了後からはPrime Videoで見放題独占配信が開始され、TVerでもリアルタイム配信される。また、「ネットもテレ東」(テレ東HP、TVer、Lemino)で見逃し配信も実施される予定である。
出演者・スタッフのコメント
上川隆也(不破俊太郎役)は、「脚本に続いて原作を読ませて頂き、骨子の頑健な世界観の中で奮闘する不破と惣領のバディに魅せられた」とコメント。主人公について「『規格の中だけにいる』異色の主人公である所が注目ポイント」と語っている。
原作者の中山七里氏は、「無表情からどのようにして感情を表現されるのか、上川さんの演技に大注目」と期待を寄せている。
北川俊樹プロデューサー(テレビ東京)は、2018年から7年越しでドラマ化が実現したことを明かし、「色々とどんでん返していく所存」と視聴者への期待を高めている。
映像化不可能と言われた「能面検事」のドラマ化は、無表情な主人公をどう表現するかという挑戦的な試みである。上川隆也の演技力と中山七里氏の巧妙な脚本構成により、新しいリーガルミステリードラマの形が生まれることが期待される。7月11日の放送開始が待ち遠しい作品となりそうである。