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コピー公開蒔田彩珠が芥川賞作家・村田沙耶香「消滅世界」映画化に主演 異世界恋愛ドラマが2025年公開予定


芥川賞受賞作「コンビニ人間」で知られる村田沙耶香氏の長編小説「消滅世界」が実写映画化される。主演には「万引き家族」「朝が来る」で高い評価を得る蒔田彩珠が決定し、話題を集めている。

村田沙耶香初の実写映画化作品

「消滅世界」は2015年12月に刊行された村田沙耶香氏の長編小説で、芥川賞受賞作「コンビニ人間」の直前作品である。現在累計170万部を超えるベストセラーとなっており、今回が著者初の実写映画化となる。

作品は超少子化が進んだ未来社会を舞台に、「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描いた衝撃的な内容となっている。

蒔田彩珠が主人公・雨音役で主演

主演を務める蒔田彩珠は、7歳から子役として活動を開始し、是枝裕和監督の作品に多数出演してきた実力派女優である。特に「万引き家族」での演技は国内外で高く評価され、河瀨直美監督の「朝が来る」では中学生で母となる難役を熱演し、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど数々の賞を獲得している。

今回の映画では、人工授精が定着し夫婦間の性行為がタブーとされる世界で、「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音を演じる。蒔田は「この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか」とコメントし、「観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です」と期待を寄せている。

MTV出身の川村誠監督が長編デビュー

監督・脚本を担当するのは映像ディレクターの川村誠氏である。MTV出身の川村氏は「RADIOHEAD」「OASIS」などのライブ映像や「BOOM BOOM SATELLITES」「BIGMAMA」などのミュージックビデオを手がけ、CMやショートフィルム、NHK大河ドラマドキュメンタリーなど多岐にわたるフィールドで独自の世界観を築いてきた。

川村監督は蒔田について「観る者が彼女から目を離せなくなる、シーンを支配してしまうような引力」があると評価し、「一種の”憑依力”のようなものを感じました。確かに雨音はそこに存在しました」と絶賛している。本作が長編映画の監督デビュー作品となる。

現代社会への警鐘を込めた問題作

物語の舞台となるのは、人工授精で子どもを産むことが定着し、夫婦間の性行為はタブーとされる世界である。恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か二次元キャラクターが常識となった社会で、主人公・雨音は夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねながら「正常」な結婚生活を送ろうとする。

しかし、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)でその日常は一変する。現代の恋愛観や結婚制度、家族のあり方に対する根本的な問いかけを含んだ、刺激的で思考を促す作品となっている。

映画「消滅世界」は2025年公開予定。繊細かつ耽美な異世界観を追求した映像表現と、蒔田彩珠の圧倒的な演技力により、原作の持つ衝撃的なメッセージがどのようにスクリーンで表現されるかに注目が集まっている。