映画制作会社として名高いBlumhouseのゲーム部門であるBlumhouse Gamesが、2025年のSummer Game FestとTribeca Film Festivalにおいて、3つの新作ホラーゲームを発表した。同社は昨年のデビュー以来、「異なるテイストの恐怖」を提供するという約束を果たし続けている。
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多様なホラー体験を目指すBlumhouse Games
Blumhouse Gamesのクリエイティブリードを務めるLouise Blain氏は、「我々にとって重要なのは、典型的なBlumhouseゲームと思われるものを探すのではなく、多くの異なるタイプのホラーを探求することである」と述べている。
同社初のタイトルとして2024年のSummer Game Festで発表された『Fear the Spotlight』は、90年代スタイルのミステリーゲームとして好評を博した。Cozy Game Palsが開発した同作品は、高校で起きた過去の事件を解き明かす2人の少女を描いた作品で、若い世代や初心者向けのホラーゲームとして位置づけられている。
新作3タイトルの詳細
『Sleep Awake』（Eyes Out開発）
Nine Inch Nailsのギタリストとしても知られるRobin FinckとCory Davisが率いるEyes Outチームが開発する一人称視点のホラーゲームである。地球最後の都市を舞台に、眠ると謎の失踪を遂げる現象が発生する世界が描かれる。
主人公のKatjaは、眠らないために幻覚薬に依存しながら、死のカルト集団や超自然的な力、「The Hush」と呼ばれる存在と戦わなければならない。開発チームは睡眠と死の境界線について深く研究し、現実世界の睡眠障害や幻覚薬の研究を基に世界観を構築している。
ゲームは2026年リリース予定で、ファーストパーソンの視点を採用することで、プレイヤーが自分自身の現実を疑問視するような体験を目指している。
『Grave Seasons』（Perfect Garbage開発）
Son M.、Emmett Nahil、Nikky Armstrongが率いるPerfect Garbageが開発する2Dファーミングシミュレーションゲームである。一見すると『Stardew Valley』のような牧歌的な農業ゲームに見えるが、実際には町の住民の中に潜む超自然的な連続殺人犯を見つけ出すミステリー要素が含まれている。
プレイヤーは野菜を育て、町の人々との関係を築きながら、同時に殺人事件を解決しなければならない。ゲームの特徴として、プレイヤーの選択や行動によって世界が分岐し、物語が変化する仕組みが採用されている。
開発チームは『Harvest Moon: Save the Homeland』や『Dredge』、『Cult of the Lamb』などからインスピレーションを得ており、コージーな雰囲気と恐怖を巧みに融合させている。2026年リリース予定。
『Crisol: Theater of Idols』（Vermila Studios開発）
David CarrascoとDavid Torneroが率いるVermila Studiosが開発するサバイバルホラーゲームである。スペインの民俗学、宗教、芸術からインスピレーションを得た作品で、『Resident Evil』や『BioShock』のゲームプレイ要素を取り入れている。
プレイヤーは宗教的な軍事組織「Tercios Del Sol」の隊長Gabrielとして、不聖なる島Tormentosaを調査する任務に就く。島には古代の神々の石像が生きており、プレイヤーを襲ってくる。
ゲームの独特な特徴として、プレイヤーは自分の血を弾薬として使用しなければならず、これによりサバイバル要素が強化されている。敵となる石像は頭部を破壊されても動き続けるため、プレイヤーは戦略的な判断を迫られる。
開発には約5年が費やされ、2025年末のリリースが予定されている。
ホラーゲーム市場への新たなアプローチ
Blumhouse Gamesの社長Zach Wood氏は、「我々はファンが関心を持つブランドを持っているため、ゲームにおけるホラーの様々なサブジャンルにスポットライトを当てる独特な立場にある」と述べている。
これらの3作品は、従来のホラーゲームの枠組みを超えて、新しい恐怖体験を提供することを目指している。サイケデリックなビジュアル、農業シミュレーションとの融合、スペイン文化の表現など、それぞれが独自のアプローチでホラーゲーム市場に新風を吹き込もうとしている。
Blumhouse Gamesは、映画業界で培った多様なホラー表現のノウハウを活かし、ゲーム業界においても新たな可能性を切り開いていく姿勢を示している。