世界的ポップスター、デュア・リパが2025年6月20日(金)、英ロンドンのウェンブリー・スタジアムで大規模なコンサートを開催した。最新アルバム『ラジカル・オプティミズム』を携えた本ツアーは、9万人の観客を熱狂の渦に巻き込み、彼女のキャリアにおける金字塔とも言える一夜となった。本記事では、サプライズゲストの登場や圧巻のパフォーマンスなど、歴史的な公演の9つのハイライトを紹介する。
目次
キャリアの頂点へ、ソールドアウトのウェンブリー公演
昨年のグラストンベリー・フェスティバルでのヘッドライナーとしての圧巻のパフォーマンスは、デュア・リパの躍進がまだ終わらないことを証明していた。ケヴィン・パーカーがプロデュースした最新アルバム『ラジカル・オプティミズム』は、アデルの『30』以来となる英国女性アーティストによる初週セールス記録を樹立。この成功を追い風に、彼女は自身の次なる目標として、9万人を収容する「ポップスの聖地」ウェンブリー・スタジアムでの公演を発表。チケットは数分で完売し、急遽決定した追加公演も即ソールドアウトとなる人気ぶりを見せつけた。
1. 火花と共に幕を開けた「Training Season」
ライブの幕開けを飾ったのは、『ラジカル・オプティミズム』からのヒットシングル「Training Season」であった。ステージにデュア・リパのシルエットが浮かび上がると同時に、彼女の情熱的なボーカルとシンクロするように火花が舞い散る。曲のビートに完璧に合わせたパイロテクニクス(特殊効果花火)は、これから始まる壮大なショーへの期待感を一気に高めた。
2. スタジアムを揺るがした9万人の大合唱
「ウェンブリー!パーティーの準備はできてる?」というデュア・リパの問いかけに続いて披露されたのは、英国で絶大な人気を誇る「One Kiss」。リバプールFCの非公式アンセムとしても知られるこの曲が始まると、9万人の観客による大合唱がスタジアム全体に響き渡り、会場は巨大なダンスフロアと化した。
3. ヒット曲の連続で途切れない興奮
デュア・リパの強みは、その豊富なヒット曲にある。「Levitating」「Electricity」「Houdini」「New Rules」といった代表曲が次々と繰り出され、約2時間にわたるステージは息つく暇もないほどのエキサイティングな展開となった。ディスコとポップが融合した魔法のような時間は、彼女がキャリア最大の観客の心を完全に掌握したことを証明していた。
4. 「この瞬間を人生をかけて待っていた」ファンへの感謝
公演の序盤、デュア・リパは感極まった表情で観客に語りかけた。「この瞬間を、私の全人生をかけて待っていました。本当に非現実的で、クレイジーな気分です」。10年前にロンドンのわずか350人収容の会場でライブを行った過去を振り返り、この日のマイルストーンの重みを噛みしめる姿は、観客に深い感動を与えた。
5. ファンとの交流とサプライズセルフィー
熱波の中、最前列を確保するために何時間も並んだファンに応えるように、デュア・リパはステージを降りてファンと交流する時間も設けた。サインに応じたり、ファンと会話を交わしたり、さらにはセルフィーを撮影したりと、彼女の気さくな人柄が垣間見える瞬間だった。中にはポルトガルから来たという熱心なファンの姿もあった。
6. 最大のサプライズ!ジャミロクワイのジェイ・ケイが登場
この日最大のサプライズは、スペシャルゲストの登場だった。デュア・リパが「音楽を作り始めたときから私にインスピレーションを与え、英国音楽の先駆者であり続ける人物」と紹介すると、ステージに現れたのはジャミロクワイのジェイ・ケイ。アシッドジャズの名曲「Virtual Insanity」をデュエットで披露し、二人のグルーヴィーなボーカルが融合すると、会場は驚きと興奮のるつぼと化した。
7. 観客を魅了した圧巻のダンスパフォーマンス
デュア・リパのパフォーマンスにおいて、キレのあるダンスは今や不可欠な要素である。バックダンサーと一体となったエネルギッシュなルーティンから、彼女自身の自由なグルーヴまで、そのダンスは楽曲に新たな生命を吹き込んでいた。スパンコールの衣装、紙吹雪、カラフルなストリーマーといった華やかな演出に加え、「Physical」ではレトロなワークアウト風の振り付けも披露され、会場は終始ダンスパーティーの様相を呈した。
8. 光に包まれた感動のバラード「Happy For You」
すべての演出が取り払われ、デュア・リパのボーカル力が際立ったのが『ラジカル・オプティミズム』収録の「Happy For You」であった。彼女がセンターステージで歌い始めると、観客は自発的にスマートフォンのライトを点灯。夕暮れの空が夜へと移り変わる中、スタジアムが数万の光で埋め尽くされた光景は、この夜最も感動的な瞬間の一つとなった。
9. キャリアの原点「Be the One」での一体感
キャリアの節目となるこの夜、彼女の原点を象徴する曲として披露されたのが、2015年のヒット曲「Be the One」だ。観客席の中に設けられたサブステージに一人立ち、デビュー当時の夢を抱いていた20歳の自分を重ねるように歌い上げる。観客とのコール&レスポンスで会場が完全に一つになると、デュア・リパは「これぞスタジアムの響きだ!」と叫び、歴史的な一夜を締めくくった。
サムネイル画像:LOS ANGELES JAN 25 – Dua Lipa at the 2020 Clive Davis Pre Grammy Party at the Beverly Hilton Hotel on January 25, 2020 in Beverly Hills, CA Photo: Kathy Hutchins