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YouTube、テレビ業界との提携を強化:長尺コンテンツとフルエピソードが成長の鍵に


YouTubeは、テレビ業界の競合ではなくパートナーとして、新たな視聴者の獲得、収益源の開拓、そしてイノベーションの機会を提供している。これは、NATPEブダペスト2025のオープニング基調講演で、YouTubeのドイツ担当ディレクター兼中央・北欧地域ディレクターであるアンドレアス・ブリーゼ氏が強調した点である。

YouTubeがTVにとって不可欠なパートナーである理由

ブリーゼ氏は、YouTubeが過去3年間でクリエイター、アーティスト、メディア企業に700億ドル以上を支払ったことに言及し、「これほどの規模で事業を展開しているプラットフォームは他にない」と述べ、その広範な影響力と力を強調した。YouTubeのニール・モハンCEOが以前、YouTubeが自社でのコンテンツ制作から撤退した理由として「我々はコンテンツを選ぶのが得意ではなかった」と説明したことに触れ、ブリーゼ氏は、YouTubeはテレビや他のコンテンツパートナーを必要としていると強調した。同氏は、「コンテンツパートナーがプレミアムコンテンツと視聴者が求めるタレントをもたらし、YouTubeがコンテンツの収益化とデータ共有ツールを提供することで、コンテンツを最適化する機会を提供する」と述べ、両者の成功が相互に依存していることを示唆した。

テレビデバイスでの視聴がYouTubeの成長を牽引

ブリーゼ氏の基調講演では、テレビが米国におけるYouTubeの主要な視聴デバイスとなったことが特に注目された。同氏は、「YouTubeはテレビデバイスで最も視聴されているストリーミングサービスであり、Netflix、Prime、Huluなどを上回っている。他の多くの市場でも同様の傾向が見られる」と述べ、YouTubeが現在、1日あたり10億時間のテレビ視聴時間を提供していることを明らかにした。

さらに重要なのは、このテレビ視聴時間の50%が20分以上の長尺コンテンツに由来している点である。これは、長尺コンテンツがYouTubeのテレビ視聴を牽引していることを意味する。

収益は「視聴時間」に比例する

YouTubeの広告収益モデルについて、ブリーゼ氏は、「我々はパートナーと収益を共有しており、それがYouTubeの基幹ビジネスだ」と説明した。同氏が強調したのは、「収益は再生回数ではなく、視聴時間に比例して増加する」という点である。「コンテンツがより多く視聴されれば、その分、コンテンツの前や間に広告枠をより多く販売できる。だからこそ視聴時間が非常に重要であり、制作会社や放送局はYouTubeでユーザーが長尺コンテンツにより多く関わるよう促している」と述べた。

具体例として、英国のChannel 4が提供したデータを挙げた。同社はYouTubeでの長尺コンテンツを81%増加させたが、総視聴時間は105%、フルエピソードの視聴回数は169%、YouTubeからの収益は78%増加したという。このデータがどの期間のものかは明示されなかった。

フルエピソードの配信とイノベーションの場としてのYouTube

フルエピソードのテレビコンテンツをYouTubeで配信する点に関して、ブリーゼ氏は「流通プラットフォームであると同時に、マーケティングプラットフォームであるという両方の側面を考慮した興味深いアプローチが見られる」と述べた。例えば、Paramount+は『Lioness』の第1エピソードの公開1週間後に、同エピソードをYouTubeで期間限定で全編公開し、視聴時間の増加だけでなく、自社サービスの認知度向上を狙ったという。

同様に、Disney+は『Andor』のシーズン2公開前にシーズン1の全エピソードをYouTubeで公開し、視聴者のロイヤリティを高め、Disney+へのトラフィックを誘導する施策を行った。ブリーゼ氏は、「特に制作会社や放送局の場合、アップロードコンテンツの少数派である長尺コンテンツが、収益と視聴時間の大部分を占めることが多い」と指摘した。

YouTubeはまた、コンテンツパートナーにとってのイノベーションの場、あるいはブリーゼ氏が言うところの「新しいフォーマットを試すためのシャーレ」としても機能している。ゲーム分野ではすでにそうした動きが見られ、最近ではライブ動画のグループ視聴のトレンドが見られると述べた。

NATPEブダペスト2025は、今年は65カ国以上から750人以上の代表者(昨年より増加した400人以上のバイヤーを含む)を迎えて開催された。これは、コンテンツ取引、交流、コンテンツ発見のプラットフォーム、そして次世代のフォーマット、ヒット作、国境を越えたパートナーシップの出発点として位置づけられている。

ソース: YouTube Pitches Itself as a Partner for TV, Including as a Place for Longform Content and Full Episodes