2010年に公開され、世界的な大ヒットを記録した映画『ソーシャル・ネットワーク』の続編企画が、ソニー・ピクチャーズで本格的に始動した。前作でアカデミー脚色賞を受賞したアーロン・ソーキンが、今回は脚本に加え監督も務めることが決定した。本作は「Part II」と銘打たれているものの、前作の直接的な続編ではなく、世界最大のソーシャルメディアプラットフォームとなったFacebookの「その後」に焦点を当てる。
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『The Facebook Files』が描くFacebookの内幕
新作は、『ウォール・ストリート・ジャーナル』が2021年10月に報じた衝撃的な調査報道シリーズ「The Facebook Files(Facebookファイルズ)」にインスパイアされている。同シリーズは、Facebookの内部構造と、同社が引き起こした数々の有害事象を暴露し、大きな波紋を呼んだ。
前作の成功と待望の続編
ベン・メズリッチの著書『The Accidental Millionaires』を原作とした前作『ソーシャル・ネットワーク』は、世界中で2億2600万ドルの興行収入を記録し、批評家からも絶賛された。アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネートされ、ソーキンは脚色賞を獲得している。ソーキンは長年、続編への意欲を表明してきたが、適切な着想を見つけられずにいた。しかし、2020年1月6日に発生した米連邦議会襲撃事件を経て、Facebookがその一因を担っていると考えるようになり、新たなインスピレーションを得たという。
焦点はFacebookの多面的な影響
関係者によると、新作は「1月6日事件の映画」に限定されず、2020年の米大統領選挙だけでなく、若者への影響、暴力の助長、そして米国以外の国々におけるFacebookの影響にも焦点を当てる予定だ。
ソーキンの新たな挑戦:監督業への進出
前作はデヴィッド・フィンチャーが監督を務めたが、本作ではソーキンがメガホンを取る。ソーキンは『モリーズ・ゲーム』、『シカゴ7裁判』、『愛すべきリカード』などで監督としての手腕を磨いており、その経験が今回の作品に活かされると見られている。
キャスティングに注目集まる
現時点では制作開始日は未定だが、契約がまとまったことで、ソーキンはこれからキャスティングに注力する予定だ。前作がジェシー・アイゼンバーグやアンドリュー・ガーフィールドといった俳優たちのキャリアを大きく飛躍させたことから、今回の主要キャストの座を巡って、業界内で熾烈な争奪戦が繰り広げられることが予想される。
Facebook創設者マーク・ザッカーバーグを演じ、アカデミー賞にノミネートされたアイゼンバーグが本作でどの程度の役割を果たすか、またソーキンが彼と接触しているかは不明である。他の登場人物の多くは続編には登場しないと予想されるが、Facebookに関する新たな物語においてザッカーバーグが登場しないことは考えにくいだろう。