CBCテレビが制作したドキュメンタリー番組「僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる」が、米国ロサンゼルスで開催された国際メディアコンクール「USインターナショナルアワード2025」のドキュメンタリー&レポート社会問題部門で銀賞を受賞した。日本時間の6月25日(水)に最終結果が発表された。

国際的な評価が続くトゥレット症ドキュメンタリー
今回の受賞は、本作にとって海外コンクールでの2度目の栄誉となる。2025年5月に開催されたヨーロッパ最大規模の国際コンクール・ワールドメディアフェスティバルでは、ドキュメンタリー部門(共生と多様性)で銀賞を受賞し、さらに全出品作から選ばれる「グローバル・アウェアネス賞」とのダブル受賞を達成していた。
謎多き病「トゥレット症」と生きる若者たちの物語
この番組は、トゥレット症を抱えながらも自立を目指す若者たちを追ったドキュメンタリーである。取材は2022年2月、ウーバー配達員として働くトゥレット症患者の男性との出会いから始まった。彼のアプリメッセージに記された「身体の動きや声が出てしまうことがあるが許してほしい」という言葉が、取材のきっかけとなった。
トゥレット症は、意思に反して声が出たり、身体が動いてしまう“チック”の症状が重い神経疾患であり、140年前にフランスの神経科医によって報告されたが、未だ確固たる治療法は見つかっていない。日本全国には多くのトゥレット症患者が存在し、その数は1000人あたり3~8人に上るとされる。多くの患者が人目を気にして家に閉じこもりがちであるという実態も取材を通して明らかになった。CBCテレビの記者は、この謎多き病と闘いながら前向きに生きる若者たちの姿を丹念に記録した。
国内外で評価される社会貢献性
本作は、第61回ギャラクシー賞選奨を受賞している。また、継続的な取材活動が評価され、2024年日本民間放送連盟賞特別表彰「放送と公共性」で優秀賞を獲得した。さらに、劇場版も公開されており、劇場版は令和7年児童福祉文化賞を受賞するなど、国内外でその社会貢献性が高く評価されている。
番組の詳細は、CBCテレビの公式ウェブサイト(https://hicbc.com/tv/tourette/)で確認できる。
制作スタッフ
- 取材:柳瀬晴貴(CBCテレビ)
- 構成・統括:大園康志(CBCテレビ)
- 制作:CBCテレビ 報道部