【ロンドン発】SF映画の巨匠として知られるドゥニ・ヴィルヌーヴが、Amazon MGMスタジオが手掛ける次期ジェームズ・ボンド映画の監督に就任したことが、水曜日に同スタジオより発表された。ヴィルヌーヴは、これまで『DUNE/デューン 砂の惑星』、『ブレードランナー 2049』、『メッセージ』といった批評家から絶賛された作品群を手がけており、その独創的なビジョンで知られている。
新たな007の幕開け:ヴィルヌーヴが舵を取る
ヴィルヌーヴは監督に加え、ターニャ・ラポワントと共に製作総指揮も務める。これまでシリーズを統括し、プロデューサーを務めてきたバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンに代わり、エイミー・パスカルとデヴィッド・ヘイマンがAmazon MGMスタジオのプロデューサーとして本シリーズを手掛けることは既に発表されていた。なお、新たなジェームズ・ボンド役はまだ決定していない。
ヴィルヌーヴは声明の中で、「私の映画鑑賞の最も初期の記憶の中には007がある。ショーン・コネリーの『ドクター・ノオ』以来、父と一緒にジェームズ・ボンド映画を観て育った。私は筋金入りのボンドファンだ」と語った。さらに、「私にとって、彼は神聖な領域である。伝統を尊重し、多くの新たなミッションへの道を開くつもりだ。これは非常に大きな責任だが、同時に信じられないほどエキサイティングであり、大きな名誉でもある。エイミー、デヴィッド、そして私は、彼を再びスクリーンに送り出すことに心から興奮している。Amazon MGMスタジオの信頼に感謝する」と述べ、ボンドシリーズへの深い敬意と熱意を示した。
Amazon MGMスタジオも期待を寄せる
Prime VideoおよびAmazon MGMスタジオの責任者であるマイク・ホプキンスは、「ドゥニがジェームズ・ボンドの次のチャプターを監督することに同意してくれたことを光栄に思う。彼は映画界の巨匠であり、そのフィルモグラフィーがすべてを物語っている。『ブレードランナー 2049』から『メッセージ』、そして『DUNE/デューン 砂の惑星』の各作品まで、彼は魅力的な世界観、ダイナミックなビジュアル、複雑なキャラクター、そして最も重要なことに、世界中の観客が劇場で体験することを切望する没入型のストーリーテリングを提供してきた。ジェームズ・ボンドは、現代最高の映画監督の一人の手に委ねられており、007の次の冒険を開始するのが待ちきれない」とコメントした。
エイミー・パスカルとデヴィッド・ヘイマンも共同声明で、「ドゥニ・ヴィルヌーヴは幼い頃からジェームズ・ボンド映画を愛してきた。この映画を作ることは彼の夢であり、今や私たちにとっても夢だ。この並外れた映画監督の手に委ねられていることを幸運に思う」と述べ、ヴィルヌーヴへの信頼を表明した。
今後の展開と新ボンド役の行方
シリーズ26作目となる次期ジェームズ・ボンド映画の製作開始時期と、新たな007を誰が演じるのかが、今後の大きな焦点となる。ヴィルヌーヴは現在、『DUNE/デューン 砂の惑星』の第3作の製作も控えており、早ければこの夏にも撮影が開始され、2026年12月の公開を目指しているとの報道もあるが、正式な発表はまだない。また、米Hollywood Reporterは、その第3作の悪役としてロバート・パティンソンが検討されていると報じている。
ヴィルヌーヴはアカデミー賞に4度ノミネートされており(インディワイヤー・オナーズ受賞者でもある)、『DUNE/デューン 砂の惑星』の2作品で興行収入的にも大きな成功を収め、業界で最も注目される監督の一人としての地位を確立した。昨年公開された『DUNE/デューン 砂の惑星 PART2』は、作品賞を含む5部門でアカデミー賞にノミネートされ、2部門で受賞を果たしている。
ソース: Denis Villeneuve to Direct Next James Bond Film for Amazon MGM