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ガザ地区、燃料危機が深刻化:国連機関が緊急声明、人道支援の崩壊を警告


【ニューヨーク/ジュネーブ/ローマ/ガザ発 2025年7月12日】 パレスチナ自治区ガザ地区における燃料不足が危機的な水準に達しており、ユニセフ(国連児童基金)を含む複数の国連機関が共同声明を発表し、国際社会に対し十分かつ継続的な燃料の搬入許可を求めた。燃料はガザの210万人の生命線であり、その枯渇は人道危機をさらに深刻化させると警告している。

燃料はガザの生命線:病院機能停止、食料危機深刻化の恐れ

国連機関の声明によると、ガザ地区において燃料は病院の稼働、水道・衛生設備の維持、救急車の運行、そしてあらゆる人道支援活動の根幹を支えている。物資輸送車両の運行や、戦争の影響で食料不安に直面する人々のパンを製造する工房の稼働にも不可欠である。燃料が途絶えれば、ガザの住民210万人の命を支える生命線が寸断されると危機感を示した。

人道支援活動が崩壊の危機:医療、水、衛生が機能不全に

約2年続く紛争により、ガザでは広範囲にわたる食料不安など、すでに極めて困難な状況が続いている。燃料不足は、すでに飢餓の危機に瀕している人々に耐え難い新たな負担を強いるだろう。

声明は、燃料が不十分な状況が続けば、ガザでの人道支援活動が完全に停止する可能性があり、その影響はガザの全ての必要不可欠なサービスに及ぶと指摘した。具体的には、保健医療サービスの停止、清潔な水の供給停止、人道支援の提供不能などが挙げられている。病院では産科、新生児科、集中治療室が機能不全に陥り、救急車も稼働できなくなる恐れがある。通信手段の遮断も懸念され、命を守るための連携が不可能となり、住民間の連絡も途絶えるだろう。

感染症のリスク増大:安全な水と衛生設備の維持が困難に

燃料不足は製パン所や地域の炊き出し所の運営を不可能にする。さらに、水の製造や衛生設備が機能しなくなり、家族は安全な飲料水を利用できなくなるだろう。その結果、通りにごみが堆積し汚水があふれ、家族を致命的な感染症の集団発生リスクにさらし、ガザで最も弱い立場にある人々をさらなる死の危険に近づけることとなると、声明は警告している。

わずかな燃料搬入では不十分:継続的な供給を強く要請

今週、130日ぶりにガザ地区に少量の燃料が搬入されたものの、国連機関はこれを歓迎しつつも、搬入量が住民の日々の生活や国連機関の人道支援活動に必要な量と比べると、ほんのわずかであると強調した。

国連諸機関と人道支援パートナーは、現在の状況の深刻さを繰り返し強調し、命を守る活動を継続するためには、ガザへの十分かつ継続的な燃料供給が許可されることを強く求めている。