マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、2027年公開予定の映画『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』の後に、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)においてX-MENのキャストを一新する方針であることを明らかにした。さらに、将来的にはトニー・スターク(アイアンマン)をはじめとする象徴的なキャラクターも再演される可能性を示唆している。
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『シークレット・ウォーズ』は「始まり」を意味する
ファイギ社長は、金曜日に開催された記者会見で、『シークレット・ウォーズ』がMCUにとって重要な転換点となると強調した。彼は、「『エンドゲーム』が文字通り“終わり”だったとすれば、『シークレット・ウォーズ』は“始まり”となる」と述べ、2015年のコミック版「シークレット・ウォーズ」が複数のタイムラインの崩壊と再統合を描いたように、MCUでもキャラクターの構成が大幅に変更されることを示唆した。
X-MENは新キャストで登場、旧キャストは『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』で最後の出演か
新たにMCUに登場するX-MENについては、ジェイク・シュライアー監督の『X-MEN』映画で新キャストが起用される予定だ。これに先立ち、2026年公開の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』では、パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン、アラン・カミング、レベッカ・ローミン、ジェームズ・マースデン、ケルシー・グラマーといった2000年代以降の『X-MEN』映画に出演した多くの俳優たちが、それぞれの役を再演する予定である。スチュワートは2022年の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でチャールズ・エグゼビアを演じ、グラマーも2023年の『ザ・マーベルズ』のポストクレジットシーンでハンク・マッコイ役で登場している。しかし、今後の作品では、これまでの映画に登場したX-MENのキャラクターも、そして新たに登場するミュータントたちも、新たな俳優によって演じられることになる。
「リブート」ではなく「リセット」:単一のタイムラインへ
ファイギ社長は、今回の変更を「リブート」という言葉ではなく、「リセット」と表現することに慎重な姿勢を見せた。「リブートという言葉は、多くの人にとって恐ろしい意味を持つ可能性がある。リセット、単一のタイムライン――我々はそのような路線で考えている」と述べ、複雑に分岐したマルチバースの物語を整理し、新たな「始まり」を明確にする意図があることを示唆した。そして、「X-MENはまさにそこから始まるだろう」と付け加えた。
X-MENのコミックが、Xavier’s School for Gifted Youngstersを舞台に、自分を異質な存在と感じる若者たちの物語に焦点を当ててきたことに触れ、ファイギ社長は「彼らは自分を異質だと感じ、仲間外れだと感じる若者たちの物語を語る場であった。それがミュータントの普遍的な物語であり、我々が目指す方向だ」と語った。
トニー・スタークも再キャストの可能性:シリーズ継続の常識へ
さらに興味深いことに、ファイギ社長は、トニー・スタークやスティーブ・ロジャースといったMCUの象徴的なキャラクターも、将来的には再キャストされる可能性があることを示唆した。彼は、ジェームズ・ボンドやスーパーマンといった他の主要な映画フランチャイズが複数回にわたってキャストを変更してきた例を挙げ、「エイミー・パスカルとデヴィッド・ヘイマンは現在、新しいジェームズ・ボンドを探している。新しいスーパーマンのデヴィッド・コレンスウェットも素晴らしかった。それは常にそうあるべきだ」と述べた。
ロバート・ダウニー・Jrやクリス・エヴァンスといった俳優が演じたキャラクターは、他の俳優が演じることを想像しにくいと認めつつも、ファイギ社長はそれが不可能なことではないと語った。「俳優が素晴らしい役を演じた後、誰にとっても難しいことだ。ショーン・コネリーのジェームズ・ボンドをどうやって置き換えるのか、そうだろう?」と問いかけた。
なお、ライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンが出演する2024年の大ヒット作『デッドプール&ウルヴァリン』の続編について問われた際、ファイギ社長は明言を避けつつも、「両キャラクターには、まだたくさんの楽しみがあると思う」と述べ、今後の可能性を閉ざさなかった。