2024年の米大統領選でドナルド・トランプ氏に敗れたカマラ・ハリス前副大統領が、英BBCのインタビューに応じ、「私はまだ終わっていない」と述べ、政治活動を継続する強い意向を表明した。
ハリス氏は、BBCの番組「Sunday with Laura Kuenssberg」に出演。これはハリス氏にとって英国メディアによる初の独占インタビューとなる。番組内でハリス氏は、米国の政治と自身の役割について語り、「私はまだ終わっていない。私の全キャリアは奉仕の人生であり、それは私の骨の髄まで染み込んでいる」と強調した。
トランプ氏を「ファシスト」「独裁者」と改めて非難
ハリス氏は、2021年から2025年までバイデン政権下で第49代副大統領を務め、それ以前はカリフォルニア州選出の上院議員や地方検事を歴任した。2024年の大統領選挙では民主党候補としてトランプ氏と対決し、選挙戦を通じてトランプ氏の危険性について有権者に警告を発し続けた。
選挙には敗れたものの、ハリス氏は当時の自身の主張を堅持する構えを見せている。「(トランプ氏が)ファシストかどうか尋ねられ、私は『イエス』と答えた。その理由は、今起きていることを見ているからだ」とハリス氏は語る。「それは私が予測した通りだ。彼は司法省を武器化すると言ったが、まさにその通り実行している」。
司法省やFCCの「武器化」を具体的に批判
ハリス氏はさらにトランプ大統領を「独裁者(tyrant)」と呼び、その具体例を挙げた。
「彼がどのように連邦機関を武器化しているか。例えば、政治風刺家を追及している」と指摘。チャーリー・カーク氏暗殺事件後のジミー・キメル氏の発言を受け、連邦通信委員会(FCC)がディズニーを追及しようとした動きに言及した。
「(トランプ氏は)肌が薄すぎる(批判に耐えられない)。ジョークによる批判に耐えられず、その過程でメディア組織全体を潰そうと試みた」と、ハリス氏は厳しく批判した。
2028年の大統領選出馬も「あり得る」
米国史上初の女性副大統領となったハリス氏。インタビューでは、自身の孫姪たちが「間違いなく生涯のうちに」女性大統領を目にするだろうと語った。
さらに、その女性大統領が自身である可能性を問われると、ハリス氏は「あり得る(possibly)」と回答。2028年の大統領選挙への再出馬の可能性を強く示唆した。
世論調査は「気にしていない」
現在の一部世論調査では、ハリス氏が2028年の民主党大統領候補指名を勝ち取る可能性は「部外者(outside)」、すなわち低いと見られている。
しかし、ハリス氏本人はこれらの調査結果を一蹴。「私は世論調査を気にしたことは一度もない。もし世論調査を気にしていたら、最初の選挙にも、2番目の選挙にも出馬していなかっただろうし、ましてや今ここに座っていることもなかっただろう」と述べ、世論調査に左右されず活動を続ける姿勢を示した。
