[PR]

第32回キネコ国際映画祭 グランプリ発表!井ノ原快彦、桂宮治が「ライブシネマ」で登壇、受賞作品一覧も


一般社団法人キネコ・フィルムは11月4日、子どもたちの国際映画祭「第32回キネコ国際映画祭」のクロージングセレモニーを開催し、各部門の受賞作品を発表した。同映画祭は10月31日から11月4日まで、東京・二子玉川の各所で開催されたものである。

井ノ原快彦、桂宮治が「ライブシネマ」に挑戦

クロージングセレモニーには、映画祭のスペシャル・サポーターを務める井ノ原快彦さんと桂宮治さんが登壇し、MCを務めた。

二人は、海外の上映作品を生で吹き替えする“ライブシネマ”にも挑戦。これは、様々な言語で制作される世界の映画を日本語で楽しむための、キネコ国際映画祭ならではのプログラムである。

今回は、父親の虐待が題材のノルウェーの切り絵アニメーション「アングリー・マン」(アニータ・キリ監督)が上映された。上映後、井ノ原さんは「ちょっと怖さもあったけど不思議な作品でした」とコメント。また、自身も子供を持つ宮治さんは「子供のことは愛しているんだけど、怒ってしまう、という感情について、色々考えさせられましたね」と、映画祭とライブシネマの感想を語った。

 

子どもたちが選ぶグランプリ 各部門受賞作品が決定

セレモニーでは、期間中に上映された長編、短編合わせて51のコンペティション対象作品の中から、各部門の受賞作品が発表された。

本映画祭の特徴は、世界の子ども映画祭関係者からなる国際審査員に加え、事前に募集された子どもたちが審査員を務める点である。9歳から12歳の「キネコ審査員」と13歳から18歳の「ティーンズ審査員」が、実際に映画を鑑賞し、心に残った作品を選定した。

主な受賞作品は以下の通りである。

 

第32回キネコ国際映画祭 受賞作品一覧

キネコ チルドレン長編部門グランプリ

  • 「ふつうの子ども」
    • 監督: 呉 美保 / 日本 / 96分
    • ©2025「ふつうの子ども」製作委員会
    • 概要:10才の普通の男子・唯士が恋をしたのは“環境問題・意識高い系女子”だった。クラスの問題児も加わり、3人で始めた“環境活動”が思わぬ方向へ向かう物語。

 

キネコ チルドレン短編部門グランプリ

  • 「ハチドリの勇気」
    • 監督: モルガン・ドゥヴォス / フランス / 10分
    • ©Folimage
    • 概要:山火事から動物たちが逃げる中、小さなハチドリだけが残る…。

 

ティーンズ長編部門グランプリ

  • 「ナウィ〜未来の私へ〜」
    • 監督: ヴァレンティーネ・チェルーゲ、アプー・モウリーネ、他 / ケニア=ドイツ / 99分
    • ©FilmCrew Media GmbH / Klaus Kneist & Renata Mwende
    • 概要:児童婚が横行するケニアで、都市の高校進学を夢見る13歳の少女ナウィ。しかし家の事情で嫁ぐことになり…。

 

ティーンズ短編部門グランプリ

  • 「いか、くじら、たこ、わたし」
    • 監督: 安田 幸平 / 日本 / 30分
    • ©️YASUDA CINEMA PROJECT
    • 概要:高校で出会った4人の友人関係が、一人の胸に芽生えた小さな違和感によって静かに変化していく様子を描く。

 

⽇本作品 ⻑編部⾨グランプリ

  • 「BISHU ~世界でいちばん優しい服~」
    • 監督: 西川 達郎 / 日本 / 125分
    • ©2024映画「BISHU ~世界でいちばん優しい服~」製作委員会
    • 概要:世界三大毛織物産地・尾州を背景に、発達障害を抱える少女・史織が家族や友と共に夢へ挑む姿を描くヒューマンドラマ。

 

⽇本作品 短編部⾨グランプリ

  • 「こにぎりくん つながってる?」
    • 監督: 宮澤 真理 / 日本 / 5 分
    • ©Mari Miyazawa/NHK/NEP
    • 概要:好奇心いっぱいの「こにぎりくん」が見つけた紐。それは友達、宇宙、過去、未来へとつながっていた。

 

ドキュメンタリー部⾨グランプリ

  • 「Girls Donʼt Cry」
    • 監督: シグリッド·クラウスマン、リナ·ルジテ / ドイツ / 91 分
    • ©Schneegans Productions
    • 概要:虐待、貧困、10代の妊娠など、様々な困難に耐えながら現代を生きる世界6ヵ国の少女たちのありのままの姿を描いたドキュメンタリー。

出演者コメント

井ノ原快彦さん(スペシャル・サポーター)

「世界中のクリエイターの前に子どもたちがいる、という独特な雰囲気は他にない。子どもたちが本当に楽しめる映画が紹介される、いい映画祭だと思う。生アフレコの台本を当日にもらう荒さも、手作りでやっているキネコの良さ。これが今年できることは奇跡だと思うので、もっと暖かく、深い映画祭になるよう頑張りたい」

 

桂宮治さん(スペシャル・サポーター)

「授賞式で涙ぐむ受賞者の方もいて、作り手の真剣な思いが報われる瞬間に立ち会えた。ステージ前のマットで寝そべって映画鑑賞している雰囲気も映画祭ならではの魅力。毎年小噺をやらせてもらっているが、言葉が通じなくても海外の方が笑ってくれる。ここから落語が広がってくれたら映画祭ならではの価値だと思う」

 

キネコ国際映画祭について

キネコ国際映画祭は、毎年秋に開催されるアジア最大規模の子ども国際映画祭である。1992年に創設され、ベルリン国際映画祭の児童映画部門の協力を得ている。子どもたち自身が審査員となってグランプリを選定するのが大きな特徴だ。期間中は、楽しい映画だけでなく、多様な感情を体験する映画も上映し、子どもから大人まで社会問題への気づきなど「学び」がある映画体験を提供している。