国立映画アーカイブは、2025年12月16日から2026年3月22日まで、展覧会「写真展 ハリウッドの名監督たち 映画芸術科学アカデミーのコレクションより」を開催する。本展は、アカデミー賞の開催で知られる米国の映画芸術科学アカデミーの特別協力のもと、同アカデミーが所蔵する貴重な写真コレクションを公開するものだ。ハリウッド黄金期を築いた名監督や伝説的なスターたちの撮影現場を捉えたスナップ写真を通じ、アメリカ映画の最も輝かしい時代を再現する。

目次
アカデミー秘蔵の写真で辿る、名監督たちの舞台裏
本展覧会の最大の見どころは、映画芸術科学アカデミーのマーガレット・ヘリック図書館に所蔵されている秘蔵の写真資料が一挙に公開される点である。
ジョン・フォード、ウィリアム・ワイラー、アルフレッド・ヒッチコックといった名監督たちが、撮影現場で俳優たちと対話し、作品を創り上げていく姿を捉えた貴重なスナップ写真が並ぶ。これらは、映画史の決定的瞬間を記録した資料であり、巨匠たちの素顔や創作の秘密に迫るものだ。
また、ポスターギャラリーでは、国立映画アーカイブが所蔵する日本版を中心とした公開当時の宣伝ポスターなども一堂に会し、写真資料と共に当時の熱気を伝える。

ハリウッド黄金時代を「聴覚」からも追体験
国立映画アーカイブの企画展では恒例となっている音楽展示も実施される。
今回は、マックス・スタイナー(『風と共に去りぬ』)、アルフレッド・ニューマン(『嵐が丘』)、バーナード・ハーマン(『市民ケーン』『汚名』)といった、ハリウッド黄金期を支えた大作曲家たちによる名旋律の数々を紹介。さらに、作品冒頭のスタジオロゴで流れる有名なファンファーレなども収録し、視覚だけでなく聴覚からもハリウッド映画の黄金時代を堪能できる構成となっている。

伝説の監督・俳優たちが集結
本展覧会では、サイレント映画のパイオニアからニュー・ハリウッドの旗手まで、幅広い年代の監督、作品、俳優たちが取り上げられる。
▼取り上げられる主な監督、作品、俳優
- D・W・グリフィス(『イントレランス』)
- アリス・ギイ=ブラシェ
- ロイス・ウェバー
- キング・ヴィダー
- エルンスト・ルビッチ(『生きるべきか死ぬべきか』)
- ハワード・ホークス
- フランク・キャプラ(『スミス都へ行く』)
- ジョン・フォード(『駅馬車』)
- ウィリアム・ワイラー(『嵐が丘』)
- ジョン・ヒューストン+ハンフリー・ボガート&ローレン・バコール(『キー・ラーゴ』)
- アルフレッド・ヒッチコック+ケーリー・グラント(『汚名』)
- ヴィンセント・ミネリ
- セシル・B・デミル
- スタンリー・キューブリック
- ビリー・ワイルダー(『アパートの鍵貸します』)
- アイダ・ルピノ(『暴行』)
- ジェームズ・ディーン(『理由なき反抗』)
- オードリー・ヘプバーン(『尼僧物語』)
- フランシス・フォード・コッポラ+マーロン・ブランド(『ゴッドファーザー』)
- マーティン・スコセッシ+ロバート・デ・ニーロ(『タクシードライバー』)
- スティーヴン・スピルバーグ
▲『理由なき反抗』(1955年、ニコラス・レイ監督)撮影中のジェームズ・ディーン(中央)ら
▲『ゴッドファーザー』(1972年、フランシス・フォード・コッポラ監督)撮影中のマーロン・ブランド(左)とコッポラ監督(右)
専門家によるトークイベントも開催
会期中には、ゲストを招いたギャラリートークや同館研究員による展示品解説など、関連イベントも開催される予定だ。
- 展示資料からみる映画技術の変遷――ワイドスクリーン規格を中心に
- 開催日:2025年12月20日(土) ★手話通訳付き
- 講師:藤原征生(当館特定研究員)
- 場所:展示室ロビー(7階)
- アカデミーの映画資料――マーガレット・ヘリック図書館とアカデミー博物館
- 開催日:2026年2月21日(土)
- 講師:岡田秀則(当館主任研究員)
- 場所:展示室ロビー(7階)
- 共同と闘争――ハリウッドの撮影現場(仮)
- 開催日:2026年3月14日(土)
- 講師:川﨑佳哉氏(早稲田大学文学学術院講師[任期付])
- 場所:展示室ロビー(7階)
※各イベントの詳細は、後日公式ホームページ等で発表される。
「写真展 ハリウッドの名監督たち」開催概要
- 企画名: 写真展 ハリウッドの名監督たち 映画芸術科学アカデミーのコレクションより (英題 / Hollywood Masters in Photos: From the Academy Collection)
- 主催: 国立映画アーカイブ
- 特別協力: 映画芸術科学アカデミー
- 会期: 2025年12月16日[火]- 2026年3月22日[日]
- 休室日: 月曜日、12月27日[土]- 1月7日[水]
- 開室時間: 午前11時-午後6時30分(入室は午後6時まで) *12/26、1/30、2/27の金曜日は午後8時まで開室延長(入室は午後7時30分まで)
- 会場: 国立映画アーカイブ 展示室(7階)
- 料金: 一般250円(200円)/大学生130円(60円) *( )内は20名以上の団体料金 *65歳以上、高校生以下及び18歳未満、障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
- お問合せ: 050-5541-8600(ハローダイヤル)
- 公式HP: https://www.nfaj.go.jp/exhibition/academy2025/
