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アンジェリーナ・ジョリー、ウクライナ最前線ヘルソンを極秘訪問──ドライバー拘束のトラブルも


オスカー女優であり、長年人道支援活動に携わってきたアンジェリーナ・ジョリーが、ウクライナの最前線であるヘルソンを極秘訪問していたことが明らかになった。熟練の戦場記者でさえ足を踏み入れることを躊躇する危険地帯での目撃情報は、現地メディアに驚きを与えている。

熟練記者も恐れる「激戦地」への到達

11月5日、アンジェリーナ・ジョリーはウクライナ南部の都市ヘルソンに入った。ここはロシア軍との激しい戦闘が続く最前線であり、日常的に攻撃の脅威に晒されている地域である。『Kyiv Post』の副編集長アリサ・オルロワ氏は、当初この目撃情報を「冗談だと思った」と語る。

オルロワ氏によれば、ヘルソンはほぼ毎日攻撃を受けており、ロケット弾の発射から着弾までの猶予はわずか30秒から1分程度しかないという。しかし、SNS上にジョリーが小児病院で子供たちと過ごす動画が投稿され始めたことで、その訪問が事実であることが確認された。

過去にボスニア、カンボジア、チェチェンなど数々の紛争地を訪れてきたジョリーにとっても、今回のヘルソン訪問は極めて危険度の高い任務であったと言える。

産科病棟での交流──「単なるPRではない」

現地報道によると、ジョリーは人道支援プログラムの一環として現地入りした。彼女は産科病棟や小児クリニックを訪れ、床に座り込んで子供たちとおもちゃで遊ぶなど、親密な時間を過ごしたという。また、ヘルソン地域軍政局のトップからは、記念の「ヘルソン」コインが贈呈された。

オルロワ氏は「人々は彼女が恐れずに来てくれたことに感謝している」と述べる。単なる広報活動(PR)が目的であれば、より安全な首都キーウ(キエフ)を選ぶことも容易だったはずだ。あえて死の危険が伴う最前線を選んだ彼女の行動は、ウクライナの人々に深い感銘を与えている。

検問所でのトラブル──徴兵事務所への「直談判」

しかし、この人道的なミッションにも予期せぬトラブルが発生した。帰路、ミコライウ近郊の検問所で車列が停止させられた際、ジョリーの運転手の一人が拘束されたのである。

徴兵対象年齢であったその運転手は、「平和維持活動を行う要人を護衛している」と主張したものの、そのまま徴兵事務所へと連行された。その後、ジョリー本人が事務所の中へ歩いていく姿が目撃されている。

最終的に運転手は解放された。オルロワ氏は「彼が解放され、彼女の旅が終わった後に入隊することを約束したという噂があるが、確かなことはわからない」と語っている。

いずれにせよ、ウクライナ軍であっても、アンジェリーナ・ジョリーの「直談判」にはノーと言えなかったようだ。

ソース:Angelina Jolie Visits Kherson Amid Ukraine war