松山ケンイチ主演の「聖の青春」の完成披露試写会が10/5、丸の内ピカデリー1にて行われた。登壇者は松山ケンイチのほか、羽生役の東出昌大に竹下景子、安田顕、森義隆監督。またスペシャルゲストとして、今年の5月に羽生善治三冠を破り14年ぶりの新名人となった佐藤天彦名人も登壇した。
松山ケンイチと東出昌大は劇中さながらの和服姿で登場。「原作を読んだ時に、村山さんの生き方に心を揺さぶられた。この人を演じられるなら、自分も全部捨てられる」と本作にかける強い意気込みを語った。
「聖の青春」は、幼少より「ネフローゼ」という難病と闘いながら、「天才棋士」、「西の怪童」とうたわれた村山聖の29年の生涯を描く作品。将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指し、天才棋士羽生善治と、そして自身の病と闘い続ける日々を送る村山を演じた松山は、「村山さんとお付き合いのあった方からお話しを聞いたり、昔の映像を参考にさせていただきました。それだけだと、ただのコピーになってしまうので、特に、病・死との向き合い方については監督とよく話し合い、内面から村山さんと向かい合いました」と役作りのエピソードを披露。体重も20キロ近く増量し、実際に村山氏が着用していたネクタイを身につけるなど心身ともに徹底した役作りして臨んでいる。
羽生善治を演じた東出は、オファーが来た時にはマネージャーと思わず握手するほど嬉しかったそうで、テレビの特集を見て以来、羽生三冠にあこがれていたという。東出も羽生三冠が実際に着用しているメガネを譲り受けて撮影に臨んだそう。
スペシャルゲストとして駆けつけた佐藤名人は、「村山さんを題材にした映画が公開することによって、少しでも将棋に興味を持っていただけると嬉しい、是非村山さんの生き様を感じて欲しい」と本作に大きな期待を込めた。
森義隆監督は、「大きな何かに撮らされた映画。時間はかかったがこのキャストたちに出会うための時間だと今は思っています。村山さんに惚れた人達があつまって自然と出来上がった映画です」と熱いメッセージを語った。
「聖の青春」は、東京国際映画祭の公式クロージング作品に決定し、11月19日から丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他、全国で公開となる。