FILMAGAにアカデミー賞についての記事を書きました。
2019年の受賞作は?近年のアカデミー賞の傾向を設立経緯から解説&予想 | FILMAGA(フィルマガ)
受賞予想も若干書いてますが、メインはそもそもの設立経緯や目的ってなに?というところを書いています。
映画芸術アカデミーは元々、組合対策としてできた組織で優れた作品を表彰するという目的は、後から出てきたものです。業界内の力関係に、今よりも左右されやすかった時代もあり、NBCのテレビ放送を経てショーアップして、今に至るまでの流れを簡潔に書いてみました。
アカデミーの組織としての存在は、一義的には産業の発展に寄与することなので、そういう組織が選ぶ賞である以上、業界の傾向を反映しやすく、「白すぎるオスカー」のバッシングがあって以降は、人種的多様性を称揚、metooのあった近年は男女の平等にも気を配る、というのが業界全体の流れなので、オスカーもそれに倣っているということを書いています。
元々、質の高さだけを競うものじゃないのがオスカーの微妙なとこでもあり、面白いとこでもあります。芸術性という点で公平性を担保したいなら、外部審査員制度を設ければいいんでしょうけど、設立の経緯からして、これは業界の、業界による、業界のための賞みたいなとこがあるんですよね。
個人的には、そういう人間くさいところもオスカーの魅力だと思っています。
アカデミー賞―オスカーをめぐる26のエピソード (中公新書)
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川本 三郎
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