リアルサウンド映画部で毎年恒例のアニメーション作品の年間ベスト10を選びました。
年末企画:杉本穂高の「2020年 年間ベストアニメTOP10」 作品を提供してくれた関係者に感謝を|Real Sound|リアルサウンド 映画部
今年は新型コロナウイルスの感染拡大でイレギュラーな年になりました。今年もたくさん素晴らしい作品があったなと思う一方、公開延期になった作品も多く、コロナがなければ全く異なるラインナップになったんだろうなと思います。
ハリウッド映画がないこともあって、アニメ作品は興行を牽引する存在でした。その象徴として『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』があったわけですが、『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も20億円を超える大ヒットになるなど、他のタイトルもコロナ禍の状況で大健闘していました。
その『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を『ウルフウォーカー』と同点一位にしています。大変素晴らしい作品だったと思います。京都アニメーションが積み上げてきた技術力と感性の一つの到達点だと思います。そして、本作がKAエスマ文庫から出た企画であるということも重要だと思います。技術だけでなく、京都アニメーションが積み上げてきた事業モデルの積み重ねが花開いたと言っていいでしょう。
その『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』と同点一位にした『ウルフウォーカー』は、これも本当にすごい作品で、ぜひ観ていただきたい作品です。日本アニメとは異なるスタイル作品ですが、大変に美しい映像です。これも驚くべき到達点に達して傑作です。
ufotableの2本も同点にしています。どっちの方が優れているか甲乙つけがたかったので。どちらも非常によく練られているので、これだけ室の高い作品を同じ年に公開できるこのスタジオは本当にレベル高いですね。2本とも去年に劇場版とTVアニメやってたので、制作期間はそんなに長くないと思うんですけどね。
『音楽』はぜひとも入れておきたかった作品です。こういう作品が日本でヒットするのは、アニメーションの表現の幅を広げるという意味ですごく重要な意味を持つと思います。
(C)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会