リアルサウンド映画部に、ハリウッド大作の長期シリーズ化について書きました。
MCUにモンスターバース、『ワイスピ』まで ハリウッド大作ユニバース化の背景を探る|Real Sound|リアルサウンド 映画部
シリーズ化というか「ユニバース化」というやつですね。どうしてそんなことになってるのという点や、それぞれのシリーズの展開例を俯瞰してみましょうという記事です。
要するに「大きな物語」志向だと思います。キャラクターIPを生かしやすいというのと、映画と配信をまたいだ展開をさせやすいという点で、いまの映像産業のビジネスモデルに合ったやり方なんじゃないか、ということを書いています。
大きな世界観を描いて、各作品はその中のどこかを切り取って作品にしていく。そうすることでネタが尽きないようにできるし、いろいろファンも考察して楽しめるという点が利点でしょうか。
記事を書いた時には触れていませんが、『スペースプレイヤーズ』では、ワーナー・サーバーバースなどというものが登場しました。主人公たちが、ワーナー社のサーバーの中に入っちゃうんですが、サーバーの中にはワーナー社が権利を持ついろんなキャラがいて、、、という展開になります。ユニバース化の批評的な視点がありますね。サーバーに眠っているキャラ、みんなビジネスに変えてやろう的な。せっそうのないユニバース化に対するユーモアを感じます。
この手法がいつまで続くのかわかりませんけど、しばらくは終わらなさそうです。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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マーベル
DC
ワイスピ
ミッション・インポッシブル
スターウォーズ
007
ダニエル・クレイグ以降変わったこと
慰めの報酬はシリーズ初の続編という扱いとなった
ダニエル・クレイグがボンド役に就いた『カジノ・ロワイヤル』〜『スカイフォール』までの全てが密接にリンクしたストーリーとなっており、オープニング映像にもそれまでの悪役やヴェスバー、前任のMが登場する。オープニングに過去の映像が出てくるのは『ゴールドフィンガー』、『女王陛下の007』以来。
ハリーポッターシリーズ。。。サーガ化
ゴジラ・キングコングのモンスター・バース
キーワードは「サーガ化」。。。長大な物語(大河物語)・・・あるいはバース化
強烈なキャラクタービジネスの産物としてのハリウッドフランチャイズ
世界観とキャラクター
↓
ゼロから世界観を共有する手間がはぶける。
渡邉大輔が論じる、ワールドビルディング時代の映像コンテンツとこれからの文化批評|Real Sound|リアルサウンド テック
ハリウッドと映画業界の未来が見えてきた…大手映画スタジオはストリーミングに進出し、ネットフリックスは独自の人気シリーズを作る | Business Insider Japan https://www.businessinsider.jp/post-229450
Box Office: How ‘The Fast Saga’ Became Hollywood’s Biggest Accidental Franchise
F9 and the Fast & Furious movie franchise, explained – Vox
ハリウッドと映画業界の未来が見えてきた…大手映画スタジオはストリーミングに進出し、ネットフリックスは独自の人気シリーズを作る
Box Office Proのチーフアナリストであるショーン・ロビンス(Shawn Robbins)は、「世界規模の知的財産を作り上げ、それをクロスプラットフォームで展開していく傾向がみられる」と指摘する。
「これは、(劇場公開とストリーミング配信の)両方にとって、大きなアドバンテージになるだろう」
「現在はストリーミングが絶好調だが、景気が回復して(映画館)市場が完全に稼働し始めれば、情勢は再び変化するかもしれない」とロビンスは付け加えた。
Thesis
ハリウッドのシリーズもののバース化が止まらない
↓
これをどうとらえるのか
バース化のシリーズ構成の工夫について。。。
Point3つ
バース化
IPビジネスと配信
それがなんなのか。。。これが言えないと何にもならない
Intro
ハリウッド映画の長期シリーズ化がもはや当たり前の状況となっている。
マーベル・シリーズ、DCコミックスのジャスティス・リーグ、『ワイルドスピード』シリーズ、長期シリーズの古典007に『スター・ウォーズ』、キングコングとゴジラを擁するモンスター・バース、トム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』シリーズなどなど。もはやドル箱タイトルの条件は、長期シリーズにすることと言っていいかもしれない。
こうした傾向は、2010年代から顕著となっている。
かつてハリウッド映画は、一本の作品で完結するものだった
近年、ワールドビルディングが主流になってきた。
メディアミックス戦略の
渡邉大輔が論じる、ワールドビルディング時代の映像コンテンツとこれからの文化批評|Real Sound|リアルサウンド テック
メディア・コングロマリット、メディアミックスのような流れがそれまでの撮影所システムの衰退と入れ替わるように発展し、作品がヒットした際にすばやく連作が出せるように、あらかじめ大域的に世界観を設定
↓
これがあらゆるシリーズに波及している。
↓
Body1 主なサーガ化作品を俯瞰する
MCU
DCエクステンデッド・ユニバース乗り遅れ、ジャスティス・リーグが振るわなかったが、気を取り直してワンダーウーマンやアクアマンなどの個別のヒーロー映画を製作する方向に舵を斬り、再びマルチバース化も構想にあるようだ。
ワイルド・スピード・・・偶発的にサーガへと成長していった。最初からこうなる予定ではなかった
魔法ワールド・・・ハリー・ポッターの後、ファンタビを開始。HBO MAXでドラマシリーズも予定
モンスターバース・・・・怪獣がいる世界。
サーガ化は旧来のシリーズものにも影響を及ぼした
スター・ウォーズのリブートを拡大。。。ディズニー買収から一気に顕著となった。
007シリーズの変化。。。ダニエル・クレイグ主演となって初めて続編を作った
一方、トム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』は独自路線で古典的な1作完結でシリーズを作り続けている。
Body2 映画と配信
バース化は、IPを活かして、様々なメディアへと展開してビジネス領域を拡大させられる利点を持つ。映画は映画だけで商売するものでは、もはやない。キャラクターIPを中心としたメディアミックスを駆動する装置として、存在している。
↓
映画と配信をまたにかけて、固定的なファンを囲い込む戦略も取りやすい
Body3 サーガを構成するためにどういう工夫があるか
長大なバースをいかに組み立てるか、基本的には2つの方向性が考えられる。
誰と誰がかかわり、どういう関係を築いているのか。
キャラクターの関係性の中でシリーズを拡大していく
MCU。。。。キャプテン・アメリカの後を継ぐのは誰か、ブラック・ウィドウの因縁ホークアイと妹はどう邂逅するのか。ソーの弟、ロキはその後どうしているのか。
ワイスピ。。。ファミリーを巡る物語らしく、キャラ同士の関係こそ本作の魅力だ。初のスピンオフもホッブスとショーのライバル関係を起点の物語を組んでいる。ドムとの関係ある人間がシリーズに加わり、去っていったり復活したりする。
DC
人気キャラをスピンオフさせていくのはユニバースものの常套手段であり、バラバラの映画で活躍していた者たちが一同に集まる興奮が醸成される素地も作る。そして、個々の映画になかった新たなドラマが生まれ、世界が深く広くなっていく。
あの出来事と出来事の間に何が起きていたのか。
時間的連続性の中でシリーズを拡大していく
スター・ウォーズ。。。。3部作の間で何があったのか。ローグ・ワンはエピソード4のデススターの弱点を巡る物語だ。マンダロリアンは、エピソード6と7の間に位置する作品だ。そのほか、アニメーションで展開されたクローン・ウォーズなども時系列をことさらに意識したものとなっている。
魔法ワールド。。。。ファンタビシリーズはハリポタシリーズのはるか前の物語で、魔法が随分前からこの世界で認知されていたことがわかる。さらに、この間をつなぐ物語を構想可能だろう。
MCU
この2つのどちらかに偏って考えられているわけではなく、両方をバランスよく意識しながら作られているだろう。
ブラック・ウィドウは、少し過去に遡り、「あの事件と事件の間、彼女が何をしていたのか」を描いた。
あの時、彼らは何をしていたのか。なぜ、あのような行動を取ったのか、謎を解き明かしていく。
あるいは、時代じだいの節目の間でどんな出来事がこの世界に起きていたのか。あたかも歴史年表を作るように世界を紡いでいく。
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メモ終わり。
あまり上手く分析出来ていない部分もある気がしますね。。今後の課題です。マーベルはソニーが独自のユニバース立ち上げを行っているのも指摘しておいた方が良い気がしていましたが、まだ1作しか公開されていないし、今後どうなるかわからないので、とりあえずすでに実績出しているものだけで構成しました。言及しても分析が深くはならないなと思ったので。
007もダニエル・クレイグ後はどうなるのかなとかいろいろ気になる点はあります。今のハリウッドメジャーはユニバースを屋台骨としているので、しばらくは同じ傾向が続くでしょう。その後にどんな時代がくるのかを今から考えています。