アニメ!アニメ!の敵役連載で、『僕のヒーローアカデミア』の死柄木弔について書きました。
「ヒロアカ」最大のヴィラン死柄木弔は、単なる敵役を超えた”裏の主人公”である。【ヴィラアカ】 | アニメ!アニメ!
「ヴィラアカ」の開始に合わせて書いたんですが、結果として死柄木が覚醒するあたりの直前で掲載となったので、タイミングは良かったです。
死柄木は成長する悪役なわけですが、「ヴィラアカ」のエピソードによって「もうひとりの主人公」という感じになったと思います。それによって作品全体のテーマもより深く掘り下げられたですし、ヒーローとヴィランのマッチポンプのような構造が世界にはある、という感じですね。
プルス・ウルトラするのはヒーローだけじゃない、ヴィランも超えていくんだという展開はすごいなと。この連載をやるにあたって「ヒロアカ」は必ず取り上げる必要があると思っていたので、いいタイミングで取り上げられてよかったなと思います。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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ヒロアカという作品ほど、悪役とは何かを真剣に考えている作品は珍しいかも
Point
ヒロアカ世界のヴィランとはどういう存在か。。。社会に必ず出てしまうひずみや、零れ落ちてしまうもの
しがらきはまさにヒーローのせいで生まれたヴィランと言える。その出自から
マッチポンプにヒーローは加担しているかもしれない問題
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だから全てを更地に消し飛ばす「崩壊」がまぶしく見える。加速主義的な
実際に今のヒーロー社会は行き詰っていないか
ヴィランとして作品のテーマを体現してしまう。。。プルスウルトラする悪役、未熟な指導者が本当のカリスマへと変貌を遂げていく様を描いている点でももう一人の主人公と言えるような存在となった
合わせ鏡としてのデクとしがらき
あの時、母親に行ってほしかった言葉
ヒーロー社会は制約がつきもの
ヒーローが守り切れなかったもの、社会から零れ落ちるものがある。。。ヴィランには
しがらきの歩んできた道
子ども大人
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無邪気な悪意。子どもの癇癪
しかし、それが個性が抑圧されざるを得ない時代に、まぶしく見えてしまう。圧倒的に自由じゃないかと
↓
巨大組織のトップとなる
ヒーローとヴィランは相いれない。守られないものが確かにある。助けられない人が出てしまう。
人であるのに、助けられるものとそうでないものがある。境遇もほとんど同じなのに、デクとしがらきの似ている部分。。。親に行ってほしかったことを言ってもらえなかった。
自分の境遇に絶望していたこと。でも、ヒーローが助けてくれた。
ともに導く師がおり、それを超えていく。
Intro
ヒロアカは、ヒーローの素晴らしさを描く作品だ。基本的にはそうだ。
しかし、この作品ほど悪役が輝いている作品も珍しい。作品にならってヴィランと呼ぶが、彼らの主張は時にヒーロー側を凌駕する説得力を持つことがある。
今回は、そんな本作の最大の敵となる死柄木弔について語ってみたい。キーワードは、ヒーローとの入れ替え可能性だ。
Body1
デクとオールマイトの関係と相似形のしがらきとオールフォーワン。
表でデクの成長と仲間との絆を描き、裏でヴィランとしての成長と仲間の拡大を描く。
そして、端々に現れるヴィラン側の説得力ある主張。
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だんだんとこの2人は入れ替え可能なのではないか、と思えてくる。ヒーローとヴィランが鏡のようだ。
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しがらきは、ヒーローの祖母がいた。そのせいで家族が崩壊してヒーローに憧れる自分が否定された。
ヒーローとヴィランはマッチポンプの関係にある程度ありそうな
ついには、プルスウルトラすらしていく。ある意味、この作品のテーマを背負える人材にも思える
意思ある人物になる。デクもオールマイトの操り人形でないし、しがらきも意思ある悪となる。
彼の元に集った連中も、例えばトゥワイスは、ここにしか居場所を見出せなかった。そういうやつらを救ってもいるという面がある。
入替可能な2人。。。。妬みや嫉妬はあるか。。。気に入らないとは言っている
ヒーローとヴィラン、暴力を行使するという点で両者は共通する。法が両者を分けるが、本作の主人公サイドの危うさは、度々法の枠組みを超えた実力行使を、仮免の生徒たちも行わねばならない点にある。
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そこに矛盾があるのだ。その矛盾は新たな疑念を生み、小さな不満は積み重なり、やがて大きなヴィランとなっていく。しがらきもまたそのように生まれたヴィランなのだ。
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ヴィランとは。ヴィランの役割とは。。。
しがらきは強さこそあれど、ヴィランの格としてはなんだかたいしたことのない奴として登場する
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主人公サイドは成長する。成長することが敵対するものにとって脅威だ
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しがらきはそういうヴィランだ。
ヴィランであり準主人公のような存在。。。
ステインにも言及した方がいいか。。。ステインのカリスマに影に隠れた面もあると言えるか(ここ説得力必要)、はっさいかいの親分とかもか。。。。上に立つ人の姿を学び、オールフォーワンに導かれ悪のカリスマとして成熟していく。
彼もまたプルスウルトラする者として描かれている。
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メモ終わり。
「ヒロアカ」についてはステインを取り上げる案もありました。今でも取り上げたいんですが。なんかいい感じで再登場してくれると取り上げやすんですが。
ああいう、出番は少ないのに強烈なインパクトを残すキャラは好きです。作品世界全体に多大な影響を与えていますよね。