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インターネットの「サンダンス」、アマゾンスタジオは映画制作の未来を変えるか。

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昨年、11月に発表されたアマゾンスタジオのコンテストがいよいよ今月からスタートとなります。

以下、引用。
「 抜群の知名度を生かし、アマゾンが仕掛けたのは世界中から脚本や映画を投稿できるネット上のスタジオ。2011年1月に開催されるコンテストでは、最優秀映画賞に10万ドル(約830万円)、そして最優秀脚本賞には2本が選出され、それぞれ2万ドル(約166万円)の賞金が贈られる。

このコンテストは毎月開催され、その年の最後には年間最優秀映画賞に100万ドル(約8300万円)が、最優秀脚本賞には10万ドル(約830万円)が贈与されるのである。」(ハリウッドチャンネル)
http://www.hollywood-ch.com/news/10111803.html?cut_page=1

オンラインのサンダンス、Amazon.comが映画「スタジオ」を立ち上げ。
このニュースを見て感じたことは、「オンラインのサンダンス」、若しくは日本で云うとPFFのような存在になってくれればというもの。
サンダンスは、北米一の大きな映画祭になってしまい、必ずしも初期のような新たな才能を発掘する場ではなくなっている。
さらにインターネットはあらゆる分野で新規参入の敷居を下げてはいるが、映像に関しては、まだまだ敷居が高い。YouTubeなどの動画サイトにショートクリップを発表するならまだしも、長編映画となるとネットにおいても発表の機会はあまり多くない。

具体的に何ができる?
このAmazon Studios、自前の実写作品を載せてもよいし、脚本でも良い。あるいは、紹介ビデオでも薦めているように絵コンテをフラッシュのアニメーションにして載せるのもありだ。
毎月コンテストが開催され、ベストムービーアワードは100万ドル、脚本賞は毎月2本選出され、それぞれ20万ドルの賞金が与えられる。
さらに年間単位のエントリーも応募しており、こちらの賞金は、ベストムービーが1000万ドル、脚本賞は100万ドルだ。

このアマゾンスタジオは従来の映画スタジオと何がどう違うのか。
以下、アマゾンスタジオの紹介ビデオのポイントをまとめ、訳してみる。
・今日の映画ビジネスは、ハリウッドによって決定、運営されている。そのせいで映画業界への新規参入、成功を勝ち取るのは大変難しい。
・映画制作のプロセス、システムは20世紀初頭に確立されて以来、ほとんど変化していない。
・映画スタジオの将来は、もっとオープンでコラボレイティブであるべきだ。
・人々はスクリプトを公開し、グローバルコミュニティからリアクションを得、Developできる。
・Discovery,make money, get movie made。
・ワーナーと提携し、優れた作品は劇場公開用に制作されるチャンスも与えられる。

 


アマゾンスタジオのグローバルな映画スタジオのあり方を示すイメージ図

4つのポイント
・1)Develop processを世界中とシェアする。
これが一番重要なポイントだろう。今まで少人数のクリエイターで行われてきたアイデア、スクリプトのDevelopmentの作業をグローバルに公開し、伝統的な映画制作プロセスを変えようという試みだ。
さらに通常、映画が世に出るには、映画スタジオの目に留まるのが先なわけだが、このシステムの場合、世界の人々の目に留まり、それから映画会社が吸い上げるという仕組みになっている。こういう流れがで生まれる作品は質的にも今までとは違ったものが誕生する可能性がある。

・2)新たな才能の発掘
初期サンダンス映画祭は、多くの才能を世に送り出したが(タランティーのやコーエン兄弟)、近年のハリウッドの新たな才能は、MTVやテレビ出身者であることも多い。(デビッド・フィンチャーやマーク・ウェブ)彼らは、テレビドラマやPVで培った演出方法を映画にも持ち込み新たなスタイルを作り上げた。このAmazon Studosからはネットでの表現に慣れ親しんだ新たな才能が生まれ、映画界に新たな新風を吹き込むかもしれない。

・3)コンテンツ育成の場としてのネット
インターネット上では、誰もが文章も音楽も、映像も自由に発表ができる。情報発信のツールとしてのインターネットの優位性はほぼ確立されたと云っていいだろう。しかし、このAmazon Studiosの試みはインターネットをコンテンツ育成の場として活用しようというものだ。野心的な試みであると思うので、ぜひ成功者がでてもらいたい。

・4)オリジナル企画にパブリシティを作るチャンス
アメリカも日本も、原作もの、リメイクものの企画ばかりが通り、オリジナル企画の映画は絶滅寸前状態だが、このアマゾンスタジオはそんな状況に風穴を開けてくれるかもしれない。今まではオリジナル企画は実際に制作、公開されるまで誰の目にも留まることはなかった。それゆえ制作前には何のパブリシティもなかった。しかし、このアマゾンスタジオに自身のオリジナル企画を公開し、例え賞を取れなかったとしてもそれなりの人気を博せばそれをパブリシティとして利用できる。受賞は逃したが、コミュニティ参加者に好評であったという実績は、ただの紙切れの企画書よりは、スポンサーの心を動かす強い材料にはなり得るかもしれない。

出来立てホヤホヤのこの新スタジオ、参加はもちろん無料。今はライバルも少ないので賞金獲得のチャンスも大きいので挑戦してみては?
http://studios.amazon.com/

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