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もらとりあむタマ子レビュー、前田敦子のダメ女演技がすごく良い

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もらとりあむタマ子(映画ノベライズ)

脱力系映画の旗手、山下敦弘監督の新作です。山下節が炸裂してますね。

こういう、取り立てて何も起こらない日常を描くようなタイプの作品は、下手な人が演出するとホントに退屈なだけの作品になっていましますが、やっぱり山下監督上手いですね。
でも山下監督の映画を見ていつも思うのは、この脱力感の魅力をどうやって言葉にすれば伝わるか、ということ。すごく言葉で伝えるのが難しいタイプの監督だと思う。空間ごと切り取って見せれる映像ならではの表現家だとも言えるのですが。最近ではハードなタイプの作品も作っておられますが。

この映画は、東京の大学を卒業して、就職せずに甲府の実家に帰ってきた次女のタマ子がダラダラする1年を描いた作品。一日じゅう、ジャージ姿で漫画読んでゲームやってという日々を過ごし、就職活動も全然しないが、ニュースを見ては「日本はダメだ」と一丁前の口をきく女の子。

しょうもない日常をダラダラと過ごしてしまうこともあるけど、それって誰にでもあるよね、と、一応は免罪してくれるような暖かい作品です。

甲府スポーツという町のスポーツ用品店が実家のタマ子は、東京の大学を卒業して就職せずに実家に帰ってくる。両親は離婚していて、姉は結婚して東京に住んでいるので、実家では父との2人暮らし。
食事も用意せず選択もしないし、店番もしないダメ女タマ子をAKBでセンターを務めたほどのビッグアイドル前田敦子が演じているのが、すごい不思議な光景なのですが、15分くらい見てると違和感なくなってきます。以外なほどにはまっているんですね、前田さん。

一応、このままmじゃダメだとは思っているらしく、一発逆転のつもりかオーディション雑誌を買って、アイドルに挑戦しようとしてしまうほどに、身の程知らずぶりを中盤で発揮するタマ子ですが、これがアイドル前田敦子のイメージを払拭できない程度の演技力だったら全く笑えないシーンです。ちゃんと笑えるシーンに仕上がってるんですよね、このシーン。

共演の中学生男子が素晴らしく、この少年とタマ子の絡むシーンはどれも面白い。年齢離れてるのに精神年齢が同じくらいに見えて、ちゃんと友人同士に見えるのがスゴイ 笑

物語は父親の新恋人の登場に気にし始めるあたりから少しずつ動いていき、最後は旅立ち(の前ぐらい)でスパッと終了。

エンドクレジットあとのおまけ映像(撮影現場の1コマ)も見逃せません。映画の内容と同じく脱力的な雰囲気が漂い、なるほどこういう現場からあのテイストが生まれるのだな、と妙に納得。

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