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『すずめの戸締まり』中国配給を担当した会社の代表に取材しました

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 Brancで、新海誠監督『すずめの戸締まり』の中国配給を手掛けたRoad Picturesの代表、蔡公明(ツァイ・ゴンミン) さんに話を聞いてきました。

 『すずめの戸締まり』中国大ヒットの裏側。「新海監督の人柄が多くの人の心を掴んだ」 | Branc(ブラン)-Brand New Creativity-

 『すずめの戸締まり』が中国でも大ヒットを記録しているというニュースは、どこかで聞いているかもしれないですが、それがいかなる戦略のもとで成し得たのか、その秘密を聞きたくて取材しました。

 非常に貴重なインタビューだと思います。外国の配給会社のトップに話を聞く機会はそうそうないですし、しかも、日本のアニメに力を入れている会社は希少です。中国市場を知る上で参考になる話が多いですので参考にしていただきたいと思います。

 ちなみに新海誠監督の作品は『君の名は。』と『天気の子』も中国でヒットしていますが、『すずめの戸締まり』はそれを超えるヒットとなっています。前の2本は「Enlight Film(光线传媒)」という別の配給会社が配給していましたが、最近は中国の国産のアニメーションを中心に展開しているようです。
 
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案
 
 
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質問案

記事にて伝えたいと考えているポイント

・中国の劇場システム・現在の興行動向(コロナ等情勢の影響)

→チケット価格が日本と比べると非常に安いと聞きました。まずは前提としてこういった点やコロナ禍(コロナ以降?)の中国の映画館の状況も簡単に紹介したいです。

・前売りから爆売れしている「すずめの戸締まり」。本作がここまで注目を浴びている理由とは?

→作品そのものが持つ注目度ももちろんですが、新海監督の中国来訪やチケット施策等、中国ならではのPR施策が肝となっているのでは?というところが気になっております。そのほか、新海監督が中国でどのように受け入れられているのか・中国で支持されているのか etc.

– アフターコロナの中国の映画館での状況、2022年の中国映画館はどの程度まで回復していましたか、また2023年の中国映画界全体の展望はどうでしょうか。
– すずめの戸締まりのチケット単価は安めの設定となっているようですが、中国の映画館のチケットシステムは、日本とどのように異なるのですか。また、安く設定した理由はなんですか。
– すずめの戸締まりはチケットの前売りで1億元を突破したそうですが、この数字は例えばハリウッド映画などと比較して、どの程度の水準なのでしょうか。
– これだけ前売りが売れたのは、プロモーション戦略が成功したということだと思うのですが、どんなPR施策を行ったのですか。
– 「すずめの戸締まり」の興行は初日3日間で大きな数字を残し、2週目も好調に見えます。ロングランヒットを見込めそうでしょうか。
– 中国の映画興行では、口コミの効果はどの程度重要視されているのでしょうか。また、「すずめの戸締まり」の口コミの評判はいかがですか。
– 新海誠監督の訪中は、多くの取材を受けているようですが、現地メディアにどれくらい取り上げられ、どれほど話題になったのですか。
– 日本アニメはここ数年の中国市場では、伸び悩んでいた印象もあります。「すずめの戸締まり」はその天井を破ったような印象を受けますが、このヒットによって中国における日本アニメの需要に変化が起きるでしょうか。
– 「THE FIRST SLAM DUNK」については、どのくらいの興行成績を見込んでいますか。
– 御社は、元々アート系の実写映画を配給されていたそうですが、アニメにシフトされた理由はなんでしょうか。日本の実写映画はやはり興行で苦戦するのでしょうか。
– 中国でヒットを生み出すために、クリアすべき条件のようなものはありますか。
– すずめの戸締まりの配給権は買い切り型ですか。
– 吹き替え版は作っていますか。
 
 
参考
『すずめの戸締まり』中国プレミア上映 新海誠監督が再び「3年の約束」果たす

【中国】映画チケット予約アプリ「淘票票」 – ごきんじょログ

中国の都市階級とは?1線都市、2線都市の定義・急成長する下沈市場について | 訪日ラボ
 
 
構成4月7日
– Point5つ

会社立ち上げ経緯

中国市場について

すずめの戸締まりのプロモーションでやったこと

新海人気の理由

これからの配給予定など
 
 
– Intro

すずめの戸締まりが日本映画の中国市場の記録を塗り替えた。

記録ずくめの興行になっているが、その要因はなにか、中国で配給を担当した会社に話を聞いた。
 
 
Body1 会社立ち上げ経緯
Road Picturesは2014年に設立され、プロデュースから配給までを手掛ける。
最初は国際映画に焦点を当て、2017年からは日本アニメの輸入配給を開始。
主な作品に「万引き家族」「存在のない子供たち」「HALLO WORLD」などがあり、中国市場で成功を収めている。
CEOの蔡氏は自動車業界での経験を持ち、映画業界への転身理由は映画好きであり、挑戦を求めたため。自身の夢は映画製作だが、良質な映画を若者に提供することを使命として掲げている。
 
 
Body2 中国市場について
中国の映画市場は巨大で、特にアニメ市場が成長中。四線、五線都市のポテンシャルも大きく、国内映画が主流である。
コロナ禍で一時的に低迷したが、2021年には復活の兆しを見せ、今年は回復が早くて成長の兆しも見えている。今年の最初のクオーターは158億元、それは去年1年間の興行収入の半分ほどの成績
中国での海外映画の成功条件は、良質で前向きで感動的な作品であり、広い視聴者層をカバーし、効果的なマーケティングが重要。

 
 
Body3 すずめの戸締まりのプロモーションでやったこと
春節の時期を超えて、国内外の映画が多く上映されるようになった。
「すずめの戸締まり」は早い段階で公開日が決まり、審査を早く終えたことがその理由の一つ。
「すずめの戸締まり」のプリセールスは1.1億元で、3年間の映画の中で18位の成績を収めた。
新海監督の訪中はコロナ以降初めてであり、中国のファンにとっては大きなインパクトがあった。
監督は親しみやすい性格で、ファンへの対応も丁寧であり、中国の観客に好意的に受け入れられた。
新海監督の訪中により関連キーワードが大量にトレンド入りし、プレミアやマーケティング活動が大成功を収めた。
映画館やショッピングモールでの広告や施策が多数行われ、テーマ映画館やイベント、タイアップ企画が展開された。
映画館ではテーマ映画館というのをやった。テーマ映画館は100とか200とかの規模感。テーマ映画館はポスターとかスタンディとかあるのはもちろん、観客自身が組織して映画館を貸し切って上映したりとか、そういうことをサポートする劇場。
ローソンや音楽プラットフォームとのタイアップも行われ、特にQQミュージックでは中国の歌手によるテーマ曲が大ヒットした。
 
 
Body4 新海人気の理由
中国の観客層は若い層が主であり、特にアニメのファンは学生が中心。
「すずめの戸締まり」は学生層全体に受け入れられ、小学生から大学生まで幅広い年齢層に広がった。
映画の成功には、コロナ禍での心の癒やしを求める観客へのアピールが大きな要因となっている。
新海監督の中国での人気は、過去の作品からの支持と、作品の暖かさが大きな影響を与えている。
新海監督の親しみやすい性格やSNS上での発信が、観客との心の対話を深め、ファンを増やす要因となっている。
「すずめの戸締まり」を通じて、新海監督のファンが増加していると感じられる。

 
 
Body5 これからの配給予定など
日本アニメは常に人気があり、特にIPものは好成績を残している。
過去数年は映画市場全体が低迷しており、日本アニメもその影響を受けていたが、今回の「すずめの戸締まり」の成功により市場の回復が期待される。
日本の配給元がハリウッドよりも素晴らしいと思う点は、視点が常に長期的な視点でロングテールで物事を考えている点
次回作は「スラムダンク」で、中国電影との共同配給となる。また、後半にも日本の大作が期待される。
「スラムダンク」は80年代、90年代生まれにとって青春の思い出であり、映画化を20年以上待ち望んでいたファンが多い。

 
 
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 メモ終わり。テーマ映画館というのは日本にはないですね。いろいろと中国独自の興行のあり方も見えてきて勉強になる取材でした。

 中国は地方都市の成長が著しいというのは、ちょっと調べて知っていたんですが、実際に映画興行にもその影響が表れていて、四線都市や五線都市が興行を引っ張っているようです。上海や北京とかの大都市だけを抑えているのではだめなんですね。

 次回作の配給はTHE FIRST SLAM DUNKとのことで、こちらも大ヒットが期待されます。日本映画の海外市場の展開において、Road Picturesさんは重要な存在となりそうです。
 
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