2012年、米国のホームエンターテインメントの消費が5年ぶりに増加。デジタル配信増が牽引

hotaka-sugimoto 2013年1月23日

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ＤＶＤ販売の不振の影響が大きく、ここ数年右肩下がりだった一般家庭における娯楽コンテンツの消費額が5年ぶりに増加となったようです。

ブルーレイのプレイヤーの普及率の増加とオンデマンド・ダウンロード配信のコンテンツの充実などによってＤＶＤ販売の下落をカバーできたといったところでしょうか。

Home Entertainment Spending Rises for First Time in Five Years

The Digital Entertainment Group（ＤＥＧ）がＣＥＳにて発表したレポートによりますと、アメリカの一般家庭におけるホームエンターテインメントの消費額がおよそ180億ドル（$18 billion）とのこと。とはいえ増加は前年比で0.23%程度のようですが。
※参照

内訳としては、パッケージ販売（ＤＶＤとブルーレイ）は5.47%のダウンですが、ブルーレイの売りあげに限ってみると10％の増加。ブルーレイシフトが徐々に進んできているという印象です。アメリカのテレビの平均のインチ数が日本よりも大きいので、ブルーレイへの移行をそれが後押ししている面もあるでしょうか。
日本ではお家のサイズ的にデカいテレビおけないところも多いですし、３２～４０くらいが平均サイズですが、アメリカでは４６インチが平均らしいですし、それぐらい大きなモニタだとブルーレイで視聴したくなりますね。

もう一つの大きな要因は、ダウンロードやストリーミングの配信サービスの大幅な増加。単価は低いが、普及率が大きく躍進。ダウンロード販売は前年比で34.6%の増加。ストリーミングとダウンロード合計では、前年比で28.5%の増加でホームビデオマーケット市場におけるデジタル配信のシェアは約30％ほどとなっています。

この表で見ると、伸びているのは圧倒的にデジタル配信ですね。

デジタル配信の内訳を見てみると、

ダウンロード販売・・・34.61%の増加（ $811.52 million）
ＶＯＤ・・・10.80%（$1,977.21 million）
定額配信（HuluとかNetflixとか）・・・45.80%の増加（$2,337.43 million）

となっており、定額配信が一番増加してますね。HuluにNetflix、さらにAmazon.comも始めましたし。

ハリウッドレポーターの記事では、ブルーレイ販売の切り札としてハリウッドのスタジオ各社が期待を寄せるUltravioletのアカウント数が900万を超えた、とも書かれています。Ultravioletで利用可能なタイトルは8500を超えたということで、多いのか少ないのかというと、少ないのではないかと個人的には思いますが、ともあれ順調なんだ、ということをアピールしたい感じが伝わってきます。

しかし、Ultravioletがブルーレイの10%の売り上げ増加にどれほど貢献しているかには触れておらず、数字を見ても貢献度はよくわかんないですね。

その他の傾向としては、レンタルビデオサービスの売り上げ低下が目立ちます。デジタルの定額配信サービスの割と一番食うポジションですから、致し方ありませんね。そんな中コンビニなどに設置されている自動販売機のようなマシンで手軽にＤＶＤレンタルできるキオスク型のレンタルは前年比で15.59%増加と成長していますね。Reｄboxというサービスがこの分野では有名ですが、低価格と手軽さが受けているみたい。日本でも駅前でたまに見かけますね。

もう底を打ったと言えるかどうかはわかりません。というのも2012年はハリウッド映画にアベンジャーズなどの大ヒット作が多かったこともあり、劇場の興業収入も絶好調でしたから。歴代興行収入ランクベスト１０に２作品もランクインしてたりしますので。（アベンジャーズとダークナイト・ライジング）
2012年アメリカとドイツでは映画興行収入が過去最高を記録したらしい。一方日本は。。

全体としては、パッケージはブルーレイへの移行も進んでいるが、デジタル配信への急速シフト（特に定額配信）が目立つことになっています。アメリカのブロードバンド回線事情を考えると、このデジタルシフトは今後さらに急速に進んでいきそうな気がしますね。