Spotifyの競合である定額で音楽の聴き放題サービスを提供する Rdioが映像オンデマンドサービス「 Vdio」を開始しました。
Vdio streaming TV and film service goes live in the US and UK | Media | guardian.co.uk
Rdioは現在24ヶ国でサービスを展開していますが、VdioはまずアメリカとイギリスのRdioの有料会員向けに提供されます。ソーシャル連携機能に特徴があるとのことで、友人が何を見ているかを確認することができたり、フェイスブックやTwitterなどにシェアする機能もついています。当初はウェブ版とiPadアプリのリリースのみで、他のデバイスには順次対応していくとのこと。
このVdioというサービス、Rdioとは違い定額ストリーミングによる提供形態ではありません。Vdioタイトルごとの課金制を採用するようです。音楽は毎月定額のお金で聞き放題なのに、映像コンテンツの方はタイトル課金というのは、妙なズレだし、ユーザー体験としてそれはどうなの?と思わなくはありませんが、この決定には映像コンテンツの権利関係の複雑さがあるようですね。
RdioとVdioのチームエグゼクティブを務めるDrew Larner氏は、「映像コンテンツは特にテレビがそうだが、なかなか制約が多い。定額のストリーミングで提供するよりもタイトル課金の方が早くユーザーにコンテンツを届けることができるためだ、と説明しています。例えばマッドメンなどの人気ドラマもタイトル課金ならオンエアの翌日から提供できるけど、ストリーミングではそうはいかないんだと説明しています。
確かにNetflixやHuluのような低額の映像ストリーミングサービスは非常に便利ですが、ドラマの最新エピソードは見ることができないし、iTunesなら映画もブルーレイやDVDの発売と同時に販売開始されますが、ストリーミングはそうではないですね。
なるべく早くコンテンツを届ける方を選択したということですね。すでにアメリカではNetflixのユーザーは相当に多いので、ガチンコでそこで戦うよりは、という判断でしょうか。
さて、音楽専門のサービスだったRdioがこうして映像も手掛けるようになってきました。 Spotifyにも同様に映像サービスへの展開の噂もあります。
Spotifyに先んじて競合のVdioが少し半端な形(定額ストリーミングでなく課金制)でありますが、先手を取る形でサービスを開始してきましたね。しかし、なぜ音楽サービスのプラットフォームサービスが他のコンテンツ提供の道を模索するようになったのでしょう。ユーザー1人あたりのARPUを高めるためでしょうけど、やはり音楽のみの定額制ではかなり利益率低いんですかね。
一方にはAppleやアマゾン、Googleもデジタルコンテンツの定額使い放題に参入するという噂もあります。これらIT世界の巨人はすでにマルチコンテンツ事業者であり、彼らが低額サービスに参入するようであれば、音楽のみ扱うSpotifyやRdio、映像だけを扱うNetflixなどは不利な立場になってくる可能性があります。
なんにせよ、ますますオンライン映像配信のプレイヤーが増え、競争が激化してきました。どの辺のタイミングで集中と淘汰が始まるのかまだ予測つきませんが、どこが抜け出すのか、興味深々です。
最終的には良いコンテンツを作る力のあるとことなのかなあ。Netflixのように質の高いオリジナル作品を作れるようになるところが生き残るのではないかな。
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