攻殻機動隊ARISEは、全4話、各50分からなる劇場用アニメーションシリーズで、プロダクションIGの代名詞ともなっているシリーズ「攻殻機動隊」シリーズの前日談となる作品です。
via 攻殻機動隊ARISE -GHOST IN THE SHELL-
攻殻機動隊誕生秘話
第4の攻殻機動隊であるこの新シリーズは、草薙素子率いる攻殻機動隊が公安9課に配属される前、それぞれのメンバーがどのように出会い、どういう経緯で集められたのかを描く物語です。
第一話となる「border:1 Ghost Pain」は、脳以外は全身サイボーグ義体である主人公草薙素子がいかにして、少佐になったのかを描くエピソードです。
この時の階級はまだ三佐。所属も公安9課ではなく、陸軍機密部隊「501機関」。違うのは所属だけでなく、今までのストーリーで見せたような完璧なまでの冷静さは幾分なりをひそめ、感情的で隙のある、孤立気味の素子です。
今回の事件を通じて彼女の階級は三佐から少佐になるのですが、それは自らの義体を軍所有から自分のものへと取り戻すことを意味し、また彼女の「過去の記憶」との決別をも意味します。
あらすじ
物語は、陸軍のマムロ中佐が殺されたところから始まります。彼には多額の賄賂を受け取った嫌疑をかけられていた最中であり、その捜査に乗り出していたのが公安9課荒巻だった。捜査でマムロ中佐の墓を掘り起こそうとしている最中に草薙素子がそれを止めに入る。マムロ中佐は素子の直接の上司であり、全幅の信頼を寄せていた。彼女は中佐が不正に手を染めていたというのは濡れ衣だと考えており、そのような容疑で墓を荒らすなど言語道断なのだ。
しかし、中佐の墓には別の義体がトラップとして仕込まれていた。
素子は中佐が殺された事件の真相を探るべく、一人捜査を開始するが、もう1人の上司であり「保護者」でもあるクルツ中佐は彼女に忘れろと言う。
しかし、信頼していた上司の殺害を黙って見過ごすことのできない素子は単独で捜査を始める。そして中佐が殺害された日の足取りを追っていくうちにある2人組を突き止め、そして自らがファイアー・スターターというウイルスに冒されていることに気づく。新浜署の刑事トグサや、レンジャーの同僚の仇を討つべく行動するバトー、潜入捜査で同じ犯人を追うパズなどの協力のもと、素子は中佐殺害の犯人と真相を知る。。。それは所属している501機関、そして「保護者」との決別を意味していた。。。
語られることのなかった草薙素子の成長物語
これは草薙素子が三佐から少佐へと昇進するエピソードですが、それと同時に彼女は所属している501機関との決別の時でもあります。孤立気味の彼女の見方をしてくれているクルツ中佐とも別れ、自立する過程を描いた成長物語でもあります。
この成長物語に声優坂本真綾さんの演技がピタリとはまっています。前任の田中敦子さんの演じる完全無欠のクールビューティの印象とはまた違う草薙素子像を作りあげています。
今回の草薙素子は、クールではあるが、感情を隠しきれていない素子であり、付け入る隙もあり、孤立気味の存在です。今回の彼女の行動の動機は世話になった上司の無念と誇りを晴らす、というもの。とても人間くさい動機で動きます。
最後に過去のある記憶を消すのですが、それもこの物語で提示されている過去やこの機関との決別を象徴していますね。
さて、次回のborder:2 Ghost Whispersは2013年11月30日公開です。気長に待ちましょう。
公式サイト。
攻殻機動隊ARISE -GHOST IN THE SHELL-
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