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米国ホームエンターテインメント市場でデジタル配信がディスクの売上げに迫る勢い。デジタルファーストの時代来るか

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インターネットの登場以降、DVDの売上げ下降とともに減少し続けていた米国のホームエンターテイメント市場もデジタル配信の拡がりによって底を打った昨年(2012年)ですが、今年はどうなったでしょうか。

The Digital Entertainment Group(DEG)が先日発表したレポートによりますと、米国の2013年のホームエンターテイメント市場は前年比で約1%増の微増に留まりました。しかし2年連続でプラスに転じているので、底打ちの実感は確実に感じ取れる成績なのではないでしょうか。市場全体の消費額は182億ドルとなっています。
DEG Releases Year-End 2013 Home Entertainment Report – DEG
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ブルーレイ・DVDなどのディスクの売上げは落ちていますが、その減少を補うようにデジタルダウンロードが大きく躍進、VODやSVOD(定額配信)サービスが堅調に伸びて2連続のプラス成長に貢献しています。

ディスクの売上げは前年比8%ダウンの77億8千万ドル(前年:84億7千万ドル)。ブルーレイ単体で見ると5%の成長ですが、DVDの売上げがコンスタントに減少し続けています。

このディスクの販売の落ち込みをカバーしたのは、デジタル配信。特にダウンロード販売は前年比50%増と大きな成長を見せ、初めて10億ドルの大台を突破(約12億ドル)。VODも安定した成長を見せており、こちらも5%増加で21億ドルの売上げ。そしてNetflixに代表される定額配信は前年比32.1%アップの31億6千万ドル。デジタル配信の総計がディスクの売上げに迫りつつあり、2014年度には逆転しそうな勢いですね。

ダウンロード販売の大きな増加の理由としては、映画などの配信でデジタルHD配信が一般化したことが大きいとハリウッドリポーターは伝えています。
デジタル配信をディスクのリリースやVODレンタルよりも2週間先行して配信を開始する手法が一般化してきたこともダウンロード販売の増加に貢献しています。コムキャストのようなCATVやターゲットのような大手小売り店もデジタル販売に参入してきましたし、スマートTVやゲームコンソール含む、セットトップボックスの普及もデジタルコンテンツの消費増を後押ししています。
ダウンロード販売、VODレンタル、定額配信のうち、一番コンテンツ供給側に利益が大きいのは売り切りに販売型ですので、ダウンロード先行販売施策はスタジオにとって今後も主流となりそうです。

NetflixやHuluなどの定額配信サービス(SVOD)も大きく増加。2013年はNetflixのオリジナルドラマ「ハウス・オブ・カード(デビッド・フィンチャー監督)」がその質とともに大きな評判になりました。Huluもオリジナル作品をリリースしていますし、Amazon Prime会員向けの定額配信サービスの方でもオリジナルコンテンツの提供が開始されていますので、こちらも競争が激しくなっています。今後もこの分野は成長を続けるでしょう。
(参照:AmazonもNetflixに対抗し、今月からオリジナル作品の配信を本格化

アメリカでは、映像コンテンツは本格的にデジタル配信で消費する時代に突入しています。2014年はいよいよディスクの売上げを超える可能性も見えてきました。
ホームエンターテインメントはディスクではなく、デジタルファーストが2014年のスタンダードということになりそうです。

※昨年の米国ホームエンターテイメント概況の記事はこちら。
2012年、米国のホームエンターテインメントの消費が5年ぶりに増加。デジタル配信増が牽引

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