ハフポストにドキュメンタリー映画『チェチェンへようこそーゲイの粛清ー』について書きました。
「この国にゲイは存在しない」プーチン政権を後ろ盾にするチェチェン。その「ゲイ狩り」の実態を暴く | ハフポスト アートとカルチャー
ウクライナ情勢のニュースにもしばしば登場するチェチェン共和国の指導者ラムザン・カディロフが掲げた「血の浄化」方針で、この国では国家によるゲイ狩りが横行している実態をとらえたドキュメンタリー映画です。
ロシアのLGBT支援団体に助けを求めるチェチェンに住む性的マイノリティたちを救い出す一部始終にカメラが同行し、緊迫の脱出劇を見せる作品です。登場人物の顔はAIによるダブルフェイス技術によって入れ替えられています。素顔を出すと命の危険があるからです。
今、ウクライナに攻め込んでいる連中のイデオロギーがどういうものなのか、その実態がよくわかる作品でもありますので、機会があれば是非見てほしい作品です。
強烈な拷問の実態などを捉えた映像などもあり、かなり恐ろしいものが写っているので、鑑賞するときには注意してください。
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Thesis
チェチェンで起きる人権侵害・・・ウクライナでも同じことは起きるか
Point3つ
チェチェンのゲイ狩りとプーチンの理論
暴行の記録も作品内にある
ウクライナとチェチェン、歴史的な近似性
クリミアはロシアからするとチェチェン同様の連邦の一部という認識
チェチェンは独立派は一掃され、親ロシアの政権が生まれ、厳しい弾圧が今続いている
ロシアLGBTネットワークの危機
チェチェンからのLGBT脱出を助けてきたロシアLGBTネットワークが閉鎖の危機。ロシア政府が、ネットワークのプログラムを運営する財団を解体する法的措置を開始したのだ。政府は「憲法に違反する行為によりロシア社会に不和をもたらそうとしている」と主張。
ロシア「暗殺リストを作成」ウクライナ侵攻後、反体制派やLGBTなど標的に|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
「過去のロシアの作戦には、標的の殺害、誘拐・強制的な失踪、拘束、拷問が含まれていた。こうした行為の標的にされるのはロシアの行動に反対する人々──ウクライナに亡命中のロシアやベラルーシの反体制派、ジャーナリストや反腐敗活動家、宗教的・民族的少数派やLGBTのような弱者だろう」
【一筆多論】LGBTとプーチン氏 遠藤良介 – 産経ニュース
不気味なのは、ロシアで12年に発足した第3次プーチン政権が先行して同様の路線をとり、自国を「保守の牙城」と位置付けてきたことだ。
プーチン政権は13年に「信仰心の侮辱」と「同性愛の宣伝」を禁止する新法を制定し、「西欧諸国はキリスト教文明から逸脱し、堕落した」などと主張してきた。昨年の憲法改正では結婚を「男女の結びつき」と規定して同性婚を禁じ、「家族の伝統的価値観の保全」を政府の職務とした。
EUの弱体化を望んできたプーチン政権が、「虹のカーテン」による欧州分断をほくそ笑む思いで見ているのは疑いない。
ウクライナ:EUは首脳会談でLGBTの権利について取り上げるべき
「LGBTの粛清」が蔓延るロシアの「内なる外国」チェチェン:真野森作 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
1994~2009年に独立を巡る2度の紛争があり、何十万人とされる死傷者、行方不明者が出た。紛争を通じて独立派やイスラム過激派は駆逐され、**親露派のアフマド・カディロフ氏**がプーチン大統領からチェチェン統治を任されるようになる。同氏が2004年に爆弾テロで殺害された後、2007年からは**息子のラムザン・カディロフ氏(45)**が共和国首長を務める。
ロシアでは2013年にLGBTQへの差別や抑圧につながる「同性愛宣伝禁止法」(通称)が成立している。未成年者に対して同性愛など「伝統的家族観に反する情報」を宣伝・普及することを禁じるもので、最高で100万ルーブルの罰金や法人活動の90日間停止を科す。この法律によって性的少数者を巡る社会活動は抑え込まれてきた。さらに、2020年の憲法改正によって同性愛者同士の結婚は明確に禁じられた。
「プーチン氏はロシアを反LGBTQに転じさせ、自己の権力強化に利用している。圧倒的多数のロシア人は性的少数者の排除に熱心だ」(フランス氏)という現実がある。
「同性愛者狩り」で活動家殺害か ロシアのLGBTに恐怖広がる 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
ロシアで続くLGBT弾圧 映画化した監督の思いと用いた技術とは | 毎日新聞
チェチェンからのLGBT脱出を助けてきたロシアLGBTネットワークが閉鎖の危機。ロシア政府が、ネットワークのプログラムを運営する財団を解体する法的措置を開始したのだ。政府は「憲法に違反する行為によりロシア社会に不和をもたらそうとしている」と主張。
チェチェンは連邦構成主体のひとつ。。。ロシア的にはクリミアも同様
構成 3月1日
Thesis
ロシアの性的少数者の危機的状況
Point
作品が見せるもの
チェチェンでのゲイ狩りの横行、ロシアのNGOが人々を逃がしている
ナチスのような弾圧と人権侵害の実態
ロシアは処罰せず
チェチェンとロシアの性的少数者
プーチンの性的マイノリティに対する考え。。。虹のカーテン
チェチェンは親ロシア派の政権、プーチンが支持してできた
カディロフの特殊性も背景に
ウクライナとの関連
2014年に併合されたクリミアは、ロシア政権はチェチェンと同様の連邦構成主体
プーチンの今回の狙いは、親ロシア派の傀儡政権樹立か、チェチェンのような
暗殺リストに性的マイノリティが載るのではという報道も
ロシアLGBTネットワークの危機
運営を解体する法的措置をロシア政府が開始
Intro
ロシアのウクライナ侵攻
プーチンの強権的な姿勢に世界が驚いている
ウクライナの非ナチス化を目標の1つに掲げている
だが、ナチスのようなことを黙認しているのは、むしろロシアの方だ
チェチェンへようこそ、ロシアの連邦構成主体のひとつ、チェチェンでゲイ狩りが行われている実態を告発するドキュメンタリー映画
拷問や殺人が政府の手で行われており、数万人の市民が危険にさらされている。
そのことをロシア政府は黙認している状態だ。
Body1作品内容
ドキュメンタリー作家が、ロシアLGBTネットワークの脱出計画にカメラを持って同行
チェチェン領内から人々を逃がし、シェルターにかくまい、カナダなどの国外への脱出を手助けしている。
彼らが入手した暴行や拷問、殺害の現場の映像も挿入される。かなりショッキングな映像なので注意してほしい。
ほとんどナチスドイツのような蛮行が処罰されずに見過ごされている
そのため、写っている人々はダブルフェイスという技術で顔をCG合成されている。
そして、これをロシア政府は処罰せずに黙認していることが示唆される
Body2チェチェンとロシア
チェチェンの特殊性がこれを引き起こしている面がある一方、ロシアの性的マイノリティに対する差別意識がある。
とりわけプーチン自身の性的マイノリティに対する考え
虹のカーテンの話
【一筆多論】LGBTとプーチン氏 遠藤良介 – 産経ニュース
不気味なのは、ロシアで12年に発足した第3次プーチン政権が先行して同様の路線をとり、自国を「保守の牙城」と位置付けてきたことだ。
プーチン政権は13年に「信仰心の侮辱」と「同性愛の宣伝」を禁止する新法を制定し、「西欧諸国はキリスト教文明から逸脱し、堕落した」などと主張してきた。昨年の憲法改正では結婚を「男女の結びつき」と規定して同性婚を禁じ、「家族の伝統的価値観の保全」を政府の職務とした。
EUの弱体化を望んできたプーチン政権が、「虹のカーテン」による欧州分断をほくそ笑む思いで見ているのは疑いない。
カディロフ政権は、プーチンの支持を受け手樹立された親ロシア派の政権
プーチンの価値観を必要以上に受けている。。。ゲイはいないと尊大な態度でのたまるカディロフの姿を映画は捉えている
「LGBTの粛清」が蔓延るロシアの「内なる外国」チェチェン:真野森作 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト
1994~2009年に独立を巡る2度の紛争があり、何十万人とされる死傷者、行方不明者が出た。紛争を通じて独立派やイスラム過激派は駆逐され、**親露派のアフマド・カディロフ氏**がプーチン大統領からチェチェン統治を任されるようになる。同氏が2004年に爆弾テロで殺害された後、2007年からは**息子のラムザン・カディロフ氏(45)**が共和国首長を務める。
ロシアでは2013年にLGBTQへの差別や抑圧につながる「同性愛宣伝禁止法」(通称)が成立している。未成年者に対して同性愛など「伝統的家族観に反する情報」を宣伝・普及することを禁じるもので、最高で100万ルーブルの罰金や法人活動の90日間停止を科す。この法律によって性的少数者を巡る社会活動は抑え込まれてきた。さらに、2020年の憲法改正によって同性愛者同士の結婚は明確に禁じられた。
「プーチン氏はロシアを反LGBTQに転じさせ、自己の権力強化に利用している。圧倒的多数のロシア人は性的少数者の排除に熱心だ」(フランス氏)という現実がある。
Body3 ウクライナに考えられる危機とは
2014年に併合されたクリミア半島。。。ここは、ロシア側はチェチェン同様、連邦構成主体だと主張している。国際社会は認めていないが。
今回のプーチンのウクライナ侵攻の狙いは、ウクライナにチェチェンのような親ロシア派の傀儡政権を樹立することだとすれば、ウクライナにおいても性的マイノリティに危機的な状況が訪れるかもしれない
作中では、チェチェンのゲイ狩りの放置は、他の連邦にも広がり始めているとNGOのメンバーが指摘している。元々ウクライナも性的マイノリティに対してそれほど寛容ではない。
少なくともロシア周辺地域でプーチンの影響力が拡大すれば、この映画が見せるような蛮行が拡大する可能性は高いだろう。
本作に登場するロシアLGBTネットワークが、ロシア政府の法的措置によって活動停止の危機に陥っている
現在、抗議署名を集めている。
チェチェンからのLGBT脱出を助けてきたロシアLGBTネットワークが閉鎖の危機。ロシア政府が、ネットワークのプログラムを運営する財団を解体する法的措置を開始したのだ。政府は「憲法に違反する行為によりロシア社会に不和をもたらそうとしている」と主張。
The work of the Russian LGBT+ movement is at risk
November of 2021, the Russian LGBT Network was labeled as ‘foreign agent’, but Russian authorities have now brought their attacks to a whole new level: they have started legal action to permanently liquidate Charitable Foundation Sphere, organization operating all the programs of the Movement, which would leave the Russian LGBT Network largely without the ability to carry out its work.
The liquidation of the organization operating all the Russian LGBT Network’s programs would lead to the termination of all its work, leaving those who rely on their assistance without support. It would also be a clear signal sent by the authorities to the civil society that any LGBT+ activism is taboo.
訳:2021年11月、ロシアLGBTネットワークは「外国人エージェント」のレッテルを貼られましたが、ロシア当局は今、その攻撃を全く新しいレベルに引き上げました。彼らは、ムーブメントのすべてのプログラムを運営している組織、Charitable Foundation Sphereを永久に清算する法的措置を開始し、これによりロシアLGBTネットワークはその活動を行う能力をほとんど失ってしまうことになりました。
ロシアLGBTネットワークのすべてのプログラムを運営する組織の清算は、そのすべての活動の終了につながり、その支援に依存している人々を無援にすることになる。また、当局から市民社会に対して、LGBT+の活動はタブーであるという明確なシグナルが送られることになる。
welcometochechnya (@welcomechechnya) / Twitter
Russian LGBT Network (@rulgbtnet) / Twitter
All Out on Twitter: “🚨BREAKING: Russian authorities are trying to shut down LGBT+ rights group @rulgbtnet.🚨 It’s not too late – take action and support the LGBT+ community in Russia: https://t.co/QTRybsSCdA” / Twitter
All Out (@AllOut) / Twitter
ロシア「暗殺リストを作成」ウクライナ侵攻後、反体制派やLGBTなど標的に|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)
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メモ終わり
大変に優れたドキュメンタリー作品です。リアルに彼ら、彼女らが命の危険にさらされている切迫感が描かれています。今、ウクライナ情勢を巡って起きていることとも無関係ではない作品ですので、是非見てほしいと思います。
追記
アマプラでも配信が開始されたようです。
https://amzn.to/3SVl6Pi