バカリズム脚本のテレビドラマ『ホットスポット』8話「未来人と宇宙人」では、そのタイトル通り、未来人と宇宙人が出てくるが、さらに超能力者も出てきた。タイトル詐欺ではないけど、一人足りなくない?と思ってしまうオチであった。
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清美(市川実日子)は、長期滞在客の村上(小日向文世)から突然、自分が2074年から来た未来人だと告げられる。しかし、清美はこれまでの経験からSF的な出来事に耐性がついており、驚くことなく受け入れてしまう。未来の世界から迷い込んだ村上は、若き日の自分(上村くん)に再会し、家族との再会に感慨を覚える。一方で、彼の語る未来では清美のホテルが間もなく閉鎖されることが判明する。
清美は、みなぷー(平岩紙)とはっち(鈴木杏)にこの驚くべき事実を打ち明けるが、2人とも意外なほどあっさり受け入れる。彼女たちは、これまでにも非現実的な出来事に接してきたため、もはやSF的な事象に対する免疫ができているようだ。しかし、高橋(角田晃広)だけは未来人の存在を信じようとしない。彼はむしろ「タイムリーパーなら信じる」と発言し、独自の基準で否定する。その頑なな姿勢に、清美たちは心の中で「お前が言うな」とツッコミを入れる。
そんな中、ホテルの支配人(田中直樹)から正式に閉鎖の決定が伝えられる。ショックを受ける高橋だったが、それでも未来人の存在は認めない。それはそれとして、高橋は、自分の家族と生い立ちの話を清美たちに話し始める。
回想シーンでは、高橋の少年時代が描かれる。1980年、いじめられていた彼は、ふとした瞬間に能力を発動し、いじめっ子を撃退する。この出来事をきっかけに、母・弘子(安藤サクラ)と父・恭介(野間口徹)から、自分が地球人ではないことを知らされる。父は能力の証明として10円玉を曲げて見せるが、高橋にとっては突然の事実に戸惑うばかりだった。
その後、高橋は山梨大学に進学するも、頭脳を引き上げる能力を使いすぎるとハゲるという事実を知り、大学を中退。ホテルができる前、その土地には温泉があり、その温泉の効能が宇宙人としての高橋と父には生きるために必要だった。しかし、ホテルが建設中は温泉に入れた目に、父は衰弱して死んでしまったらしい。とはいえ、94歳で結構生きたのだが。今のホテルが建設されると彼はホテルに就職し、従業員として温泉を堪能する日々を送れるようになる。しかし、ある日母が事故に遭い、その際に能力を使えなかった後悔が彼の人生に影を落とす。だが、現在の清美たちとの交流によって、彼は孤独から解放されつつあった。
物語の終盤、ファミレスで偶然出会った由美(夏帆)と瑞稀(志田未来)によって、新たな衝撃的事実が明かされる。瑞稀はなんと超能力者であり、岸本(池松壮亮)の映像データを消去したという。この告白が次回にどのような展開をもたらすのか、期待が高まる。
今回はちょっぴりしんみりするいい話だった。高橋はやっぱり宇宙人としての自分を隠していたことで孤独だったのだ。今は清美たちがいるので、孤独じゃなくなった。こういうほっこりする話もいいものだ。
登場人物
清美(市川実日子)
はっち(鈴木杏)
みなぷー(平岩紙)
瑞稀(志田未来)
由美(夏帆)
のんちゃん(MEGUMI)
あやにゃん(木南晴夏)
高橋(角田晃広)
支配人(田中直樹)
中本さん(野呂佳代)
梅本雅子(菊地凛子)
村上(小日向文世)
岸本(池松壮亮)
松崎(前田旺志郎)
沢田(坂井真紀)
田中晋平(大倉孝二)