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フランス×北欧映画業界、「French Nordic Film Days」開催!共同製作や配給戦略を議論


フランスと北欧の映画業界関係者が一堂に会する「French Nordic Film Days」が、3月5日から7日にかけてパリで開催され、その内容をScreen Dailyが報じている。主催はフランス国立映画センター(CNC)と、デンマーク映画協会、フィンランド映画財団、アイスランド映画センター、ノルウェー映画協会、スウェーデン映画協会の5つの北欧映画機関(Five Nordics)である。

同イベントでは、北欧映画のフランス市場での展開、国際配給の支援策、共同製作の可能性、さらにはジオブロッキングの脆弱性といったテーマが議論された。スウェーデン・インスティテュートおよびCNC本部で行われた業界プログラムには、配給・販売の課題についての議論や、フランス市場での北欧映画の動向を探るセッションが設けられた。
 
フランス市場での北欧映画の現状

CNCのデータによると、過去10年間でフランスにおける北欧映画の観客動員数は、スウェーデン映画が280万人と最多で、次いでデンマーク映画の230万人、ノルウェー映画の110万人となっている。また、デンマークはこの期間中に44作品を公開し、スウェーデン(37作品)、ノルウェー(28作品)がそれに続いた。

2024年のフランスの映画興行収入は1億8110万人の動員を記録し好調だったが、北欧諸国の観客数は2023年と比べて減少した。特にスウェーデン映画は35%減と大きく落ち込んでいる。
 
配給の課題と戦略

「リスクの高いビジネス」としての配給についても議論が交わされた。フランスの配給会社Condor Distributionのマーティン・ジェローム氏とJour2Fêteのサラ・シャゼル氏、デンマークのCamera Filmのキム・フォス氏、スウェーデンのTriArtのマティアス・ノルボリ氏が参加し、それぞれの市場における戦略を共有した。

ノルボリ氏は、デンマークではAMCシネマが市場を独占しており、米国スタジオ作品が優先されがちであると指摘した。また、「フランスの商業コメディはデンマーク市場では成功しづらく、観客はより作家性の高い作品を求めている」と述べた。

フォス氏は、デンマークの「Cinema Club」の重要性を強調。会員24万人が年間17ユーロで10本の映画を半額で観られる制度が、アート系映画の成功に不可欠だとした。2022年公開の『ドライビング・マドレーヌ』は、Cinema Clubの選定を受けたことでデンマークで18万5000人の観客を動員し、そのうち4万5000人分が通常価格のチケットだったという。
 
仏・北欧映画の共同製作と国際配給

フランスの販売戦略についてのセッションでは、フィンランドのプロデューサー、ダニエル・クイトゥネン氏(Komeetta)とGoodfellasのノエミ・ドヴィッド氏が、ホラー映画『Nightborn』の国際展開について語った。

また、販売会社Paradise City Salesのアレクサンドル・モロー氏は、エミリー・ブリクフェルド監督の『The Ugly Stepsister』がサンダンス映画祭でプレミア上映され、北米やイギリス、オーストラリアなどに売却された成功例を紹介。かつて『テルマ』(監督:ヨアキム・トリアー)を手掛けたMemento Internationalも登壇し、フランスと北欧の映画ビジネスにおける戦略を探った。

共同製作ワークショップでは、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した『Dreams (Sex Love)』の監督ダグ・ヨハン・ハウゲルの新作『Foot Of The Mountain』や、ヴァルディマール・ヨハンソン監督の『Paradox』など、各国の代表的なプロジェクトが紹介された。
 
ジオブロッキングと映画市場の未来

CNCの新会長ガエタン・ブルエル氏は「ヨーロッパを一つの市場として強化し、映画がその力を持つべきだ」と述べ、「Nordic Daysの目的は、関係を強化し、ブリュッセルやEU外での影響力を高めること」と語った。

パネルディスカッションでは、EUの一部議員が提案するジオブロッキング撤廃の危険性についても議論された。フォス氏は「ジオブロッキングは市場を保護するために必要」とし、映画の制作・配給・販売を守るためにも維持すべきだと強調した。

わたしは最悪。(字幕版)

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