『119 エマージェンシーコール』の第10話は、兼下VS連続放火犯との戦いだ。これまで司令室のオペレーターとして通報を受ける立場だった兼下睦夫(瀬戸康史)が、現場へと足を運び、事件の真相を追いかける姿が描かれた。
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物語は、兼下が過去に負傷させた同僚・塩見と再会し、自らの過去に向き合う場面から始まる。しかし、それを振り返る間もなく、司令室には次々と通報が入る。新島紗良(見上 愛)は英語の通報に対応し、外国語対応の特別チームへの異動も決定する。また、ジョブローテーションの終了に伴い、上杉昴(酒井大成)異動、兼下はSRに行くかもしれない。一気に司令課の人員がごっそり抜けていくかもしれない。そんな中、空き家での火災通報が相次ぎ、放火事件の可能性が濃厚となる。
粕原と兼下が通報者の証言をもとに現場を訪れると、足を引きずる若い男の目撃情報が得られる。一方で、最初の通報者が住所を正確に伝えていたことから、消防に関係する人物ではないかという疑念が生まれる。兼下は通報音声を繰り返し聞き、その声が塩見であると確信する。しかし、消防の仕事は犯人捜しではなく、事件の真相を追うことには慎重にならざるを得ない。
だが粕原は火災を止めるためにできることがあれば、自分ならば最善を尽くしたいと語る。それを聞いた兼下は思うところがあったのか、有給を取って怪しい空き家を探ることにしたようだ。物語はここで緊迫の度合いが高まっていく。
兼下から通報を受けた粕原だが、火災現場で黒尽くめの男を目撃したという。兼下は尾行を試み、粕原が止める間もなく行動に移してしまう。結果として、兼下は放火犯と対峙し、もみ合いに発展。携帯電話の繋ぎっぱなしにしていた兼下は、その携帯電話を犯人のバッグに潜り込ませる。粕原はその通話を通じて現場の音を分析し、犯人が横浜市庁舎のエントランス近くに逃げたことを突き止める。この冷静な判断により、放火犯は確保され、事態は収束を迎えた。
一方、兼下は塩見と再び対話する。塩見は、自分が消防を辞めたのは兼下のせいではなく、以前から火が怖くなっていたことが原因だったと告白する。この言葉に、兼下は長年の罪悪感から解放される。罪悪感というよりも自責の念というべきか。ともかく、これで兼下が司令課に居続ける理由はなくなったのかもしれない。
堂島も治療が成功し仕事に復帰。連続放火犯も逮捕されて一件落着と思いきや、堂島が不審な通報を受け取る。虚偽の火災通報をしてきたり、声フェチのような振る舞いをしてきた不審な女性の声(沢城みゆき)で「これからあなたたちの無能さを証明してあげる」と告げられる。直後に爆発の通報が入り、物語は最終回へと突入する。
しかも、この女性は堂島を知っているような口ぶりだ。何者だろうか。
今回の声優ゲストは沢城みゆき。これまでのゲスト声優はそれほど重要な役どころではなかったが、沢城みゆき演じる不審な女性通報者は、かなり重要な役どころのようだ。「あなたたちの無能さを証明する」とはどういうことだろうか。一連の連続放火とも関わっているのか、だとしたら動機はなんだろうか。ここは沢城さんの妖艶な芝居が効いていた。
登場人物
粕原雪(清野菜名)
高千穂(中村ゆり)
兼下睦夫(瀬戸康史)
新島紗良(見上 愛)
与呉心之介(一ノ瀬颯)
箕輪健介(前原滉)
上杉 昴(酒井大成)
田中 悠(三浦獠太)
粕原小夏(蓮佛 美沙子)
粕原春香(堀内敬子)
粕原 銀(遠山俊也)
高千穂一葉(中村ゆり)
堂島信一(佐藤浩市)