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アカデミー賞ドキュメンタリー賞受賞『ノー・アザー・ランド』共同監督、ヨルダン川西岸で入植者に襲撃されイスラエル軍に拘束との情報 – 現在、所在不明


アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』の共同監督であるハムダーン・バラール氏が、ヨルダン川西岸地区で入植者に襲撃され、その後イスラエル軍に拘束されたと、共同監督のユヴァル・アブラハーム氏が3月25日、ツイッターに投稿した。

ユヴァル氏は、ハムダーン氏が「入植者の集団によりリンチを受け、頭部や腹部に負傷し、出血している」と述べた。さらに、バラール氏が救急車を呼んだものの、到着した兵士が救急車内に押し入り、彼を連行したという。その後、ハムダーン氏の所在は不明のままだという。

同日、ユヴァル氏はヘブライ語での投稿を行い、「入植者の集団がバラール氏の自宅を襲撃し、全身を殴打した。負傷し出血している最中、救急車が到着したが、兵士が突入し彼を逮捕した。その後の行方はわからず、医療を受けているかどうかも不明だ」と伝えた。

また、映画の別の共同監督であるバーセル・アドラー氏は、現場の写真を共有し、ハムダーン氏の7歳の息子カラム君とともにいると報告。「私は今、ハムダーンの7歳の息子カラムとともに、彼の家の床に残る血の跡の前に立っている。入植者にリンチされ、兵士に拉致された彼はいまだ行方不明のままだ。これがマサーフェル・ヤッタの現実だ」と記した。

ハムダーン氏は、西岸地区C地区のスーシャに住む写真家兼農家であり、最近も入植者による暴力行為を記録し、SNS上で発信していた。事件の約6時間前には、自身のInstagramにスーシャで発生した別の襲撃事件について投稿。3人のパレスチナ人羊飼いが襲われ、そのうち1人が頭部と耳に石を投げつけられ負傷し、入院したことを報告していた。さらに、今年に入って10件以上の深刻な襲撃が発生していると警鐘を鳴らしていた。

ユヴァル氏は事件後、新たに投稿を行い、バラール氏の村を襲撃した「リンチ集団」の一員とされる覆面の男が、アメリカ人とみられる活動家の車両を石で攻撃し、フロントガラスを破壊する映像を公開した。バラール氏の行方は依然として不明だ。

『No Other Land』は、イスラエルとパレスチナの現状を描いたドキュメンタリー作品で、今月開催された第97回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した。授賞式には、バラール氏やアブラハム氏、アドラ氏ら共同監督が出席していた。同作を巡っては、最近マイアミビーチ市長が地元のアート系映画館に対し、上映中止を求めたことが報じられ、波紋を呼んでいる。

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