HYBEは2025年4月29日、2025年第1四半期の連結決算を発表し、売上高が初めて5,000億ウォンを突破したと明らかにした。前年同期比で39%増の5,006億ウォン(約498億円*)となり、創立以来、第1四半期としては過去最高の業績を記録した。
ワールドツアー本格化が業績に貢献、非繁忙期でも好調維持
通常、第1四半期はアーティストが新作準備のため活動を控える「充電期間」とされるが、今年は様相が異なった。BTSのJ-HOPEをはじめ、SEVENTEEN、TOMORROW X TOGETHER、ENHYPEN、BOYNEXTDOORらHYBE MUSIC GROUP所属アーティストが次々とワールドツアーを開催し、業績を押し上げた。公演部門の売上高は前年同期比3倍となる1,421億ウォンに達し、成長の主因となった。
直接参加型売上が6割超、グッズ販売など間接収益も倍増
アルバム、公演、広告などアーティストが直接関与する売上高は3,094億ウォンで全体の約62%を占めた。アルバム部門は若干の減少が見られたものの、ツアー人気の高さが公演収益に反映された。一方、MD(マーチャンダイズ)やライセンシング、コンテンツ、ファンクラブなど間接参加型の売上は1,912億ウォンで全体の38%に相当。とくにMDおよびライセンシング部門は前年の約600億ウォンから約1,200億ウォンへと倍増し、SEVENTEENの「MINITEEN」やLE SSERAFIMの「FIM’S CLUB」などのキャラクター商品が好調に推移した。
営業利益も50%増、第2四半期も好材料が目白押し
営業利益は前年同期比50%増の216億ウォンとなり、利益面でも好調を維持した。第2四半期以降もアルバムリリースやワールドツアーの予定が続く。BTSのJINは5月16日にソロアルバム『Echo』をリリースし、6月からファンコンサートツアーを開始予定。SEVENTEENは5月26日に完全体でのデビュー10周年アルバムを発表、ENHYPENは6月に新作アルバムを発売予定である。
また、LE SSERAFIMは初のワールドツアー「EASY CRAZY HOT」でアジア・北米を巡るほか、BOYNEXTDOORは4枚目のミニアルバム「No Genre」でさらなる飛躍を狙う。グローバルガールグループKATSEYEは4月30日に新曲「Gnarly」をリリースする。
新人アーティストのデビューも控え、ラインナップ拡充へ
HYBEは新人アーティストの育成にも注力している。J-POPボーイズグループ「aoen(アオエン)」は、番組『応援-HIGH ~夢のスタートライン~』から誕生し、6月11日にデビューシングル『青い太陽(The Blue Sun)』をリリース予定。5月11日にはベルーナドームで初のパフォーマンスも決定している。
さらに、BIGHIT MUSICは第3四半期に5人組の新人ボーイズグループを披露する予定で、メンバーは音楽制作から振付、映像までを自ら手がける次世代型のクリエイター集団である。
HYBEのビジョン「HYBE 2.0」とは
HYBEは「We believe in music」の理念のもと、音楽・プラットフォーム・テクノロジーの三軸でグローバルなビジネス展開を進めている。2024年8月には「HYBE 2.0」を発表し、ファンビジネスモデルを世界中に拡大する体制を強化。今後も市場変化に対応しながら、グローバルリーダーとしての地位を確立する戦略を進めていく方針だ。