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『イグナイト』第4話ネタバレありレビュー:三山凌輝(高井戸斗真)の心の闇と過去の伏線。田中直樹(千賀)との気になる関係は?


金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』第4話「約束の発明」は、搾取される者たちの叫びをテーマにしたエピソードだった。合わせて、このドラマの最終目的が示された回となった。

バス事件の真相を暴くのがこのドラマのゴール

物語は、宇崎凌(間宮祥太朗)がメディアスクラムに苦しめられた過去と対峙する場面から始まる。父親が起こしたとされるバス事故。報道により世間から断罪されたその事件に対して、宇崎は「すべてが嘘だった」と言い切る。轟謙二郎(仲村トオル)は、その事故の被害者遺族であると名乗り出ながらも、「あの事件には闇がある」と宇崎に同調する。刑事・浅見涼子(りょう)も同様の見解を示し、本庁が特別な捜査もせず処理したことに疑念を抱いている。

轟が、宇崎を弁護士事務所に留めておきたいのは、あの事件につながる鍵になるかもしれないからだ。だから、宇崎の自宅の借金を肩代わりしてまで引き止めたわけだ。轟は「早く成長しろ」と宇崎に喝を入れ、次なる事件への挑戦が始まる。

搾取される材木工場

今回の依頼は、断熱材をめぐる技術盗用の疑惑である。若き社長・牧田一也(原嘉孝)が率いる材木会社が、急成長するメーカー「ミートハウジング」に特許を奪われたというのだ。父親から継いだ会社であるが、牧田は「押し付けられたもの」と距離を置いている様子だ。技術を奪われた怒りを抱えながらも、取引関係により強く出られないというジレンマが続く。

宇崎や伊野尾麻里(上白石萌歌)、高井戸斗真(三山凌輝)らが牧田の部下と交流し、牧田の背景が明かされる。牧田の父はかつて開発に情熱を注いだが、ある日突然会社も家族も捨てて姿を消したという。宇崎はその話に強く胸を打たれ、高井戸には「もっと熱くなれ」と訴える。一方、高井戸は「弱いやつは搾取される」という記憶の中の声に突き動かされ、ミートハウジングについて独自に調査を進めていく。

裁判に必要な証拠を集めるには、牧田の父の証言が不可欠であった。宇崎と高井戸は父を探し出すが、彼は「搾取される立場になると、もう抜け出せない」と打ち明け、証言を拒む。その背後には闇金業者の存在があった。宇崎は父を救うために自ら闇金の元に殴り込みに行くという無鉄砲さを見せる。

それでも牧田は父を頼ることを拒み、訴訟への決意を示さない。だが、宇崎は「まだ夢を諦めていないはずだ」と訴え、会社の職人たちも立ち上がる。牧田もようやく腹を決め、裁判に踏み切る。

法廷では高井戸がミートハウジング社長を追い詰めるが、決定的な証拠が出ない。だがそのとき、ついに牧田の父が姿を現す。宇崎が借金問題を解決したことで、証人として立ち上がったのだ。開発当時の苦労や技術的な工夫を語る父の証言は、法廷に説得力と感動をもたらした。研究日記も提出され、裁判は勝訴に終わる。

千賀光一(田中直樹)と高井戸(三山凌輝)の関係は?

しかし、物語はそれだけでは終わらない。牧田の父が失踪した背景には、部下の父親が抱えた借金を肩代わりし、連帯保証人として闇金から逃れるために会社を去ったという真実があった。父の行動は、愛情と責任感からくる犠牲であった。牧田はようやく父の思いを理解し、彼を会社へ迎え入れることになる。

ラストでは、宇崎が弁護士事務所に入ったことを「良かった」と心から思えるようになったと語る。一方、ミートハウジングの担当弁護士は事務所を解雇され、その所属事務所の代表・千賀光一(田中直樹)は高井戸の写真を見つめていた。2人の因縁が、次回以降の伏線として静かに提示される。

訴訟に火をつけ悪徳業者を懲らしめるという型で進む展開に、主人公の宇崎がようやくハマってきた。高井戸の心の闇のようなものが見え隠れするエピソードでもあり、千賀との関係についても気になる示唆があり、次回以降、その点が描かれることになりそうだ。

 

登場人物
宇崎凌(間宮祥太朗)
伊野尾麻里(上白石萌歌)
高井戸斗真(三山凌輝)
浅見涼子(りょう)
桐石拓磨(及川光博)
轟謙二郎(仲村トオル)