アジア映画界で高く評価された注目作『年少日記』が、2025年6月6日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で公開される。第60回金馬奨にて観客賞と最優秀新人監督賞を、さらに第17回アジア・フィルム・アワードでも最優秀新人監督賞を受賞し、話題を集めている本作。このたび、30秒の予告映像も解禁された。
物語は、ある高校教師チェンのもとで自殺を示唆する遺書が発見される場面から始まる。「私はどうでもいい存在だ」──その一文は、彼自身が幼い頃に綴った日記の言葉と同じであった。遺書の主を捜すうちに、チェンは自身の過去と向き合わざるを得なくなる。
日記をめくるごとによみがえるのは、厳格な弁護士の父のもとで育った兄弟の記憶。何をしても劣等感に苛まれる兄と、親の期待に応える優秀な弟。家では常に叱責され、「しつけ」という名の体罰を受けた兄の心には、家族の中で孤立する痛みが深く刻まれていた。
監督・脚本・編集を務めたのは、アクション映画『SPL 狼たちの処刑台』で脚本を手がけたニック・チェク。本作が長編監督デビュー作となる。巧緻な構成と繊細な演出が国際的な映画祭で評価され、アジア映画の新たな才能として脚光を浴びている。
主演を務めるのは、俳優としてはもちろん、監督や撮影監督としても評価を受けるロー・ジャンイップ。共演にロナルド・チェン、ショーン・ウォンといった実力派が名を連ね、物語にさらなる深みを加えている。
本作は、競争社会における子どもへのプレッシャーや家庭内暴力といった現代的な課題をリアルに描きながら、兄弟の純粋で切ない記憶を通じて「心の再生」という普遍的なテーマに迫る。苦しみに蓋をして生きるすべての大人たちに、かつての自分と向き合う勇気を与える作品である。
映画『年少日記』は2025年6月6日(金)より全国公開。詳細は公式サイト(https://klockworx.com/nensyonikki)にて確認できる。
作品情報:
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監督:ニック・チェク
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出演:ロー・ジャンイップ、ロナルド・チェン、ショーン・ウォン
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配給:クロックワークス
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公開日:2025年6月6日(金)より全国ロードショー
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